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病院の役割分担と提供する医療

第4回 「病院の役割分担と提供する医療」
病院長 吉川 裕之

「2025年問題」という言葉は最近の報道でもよく耳にするようになりました。2025年に、いわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となることから、医療、介護、福祉の需要が爆発的に増えるのです。少子化は更に深刻化し、財政はもちろん医療の提供においても危機的状況へ向かう可能性があります。これら多くの問題を回避するため、様々な努力が少しずつ始まっています。

 各都道府県では、より地域の実情に密着した医療提供の体制をつくるべく「地域医療構想」の検討が始まっています。病院は、病棟ごとに提供する機能によって急性期、回復期、慢性期などに分けられます。日本では外国に比べ、急性期病床が多く、人口あたりの数は世界一です。また、急性期病床の入院期間は20年間で半減したものの、それでも欧米の2ー3倍と長くなっています。これには、急性期、回復期、慢性期を、ほとんど区別せずに入院診療を行ってきたという日本の歴史もあります。そして、この医療提供体制が世界一の平均寿命に貢献した可能性もあります。このように急性期に偏った現状の病床配置を見直し、回復期、慢性期および在宅医療へ再配分する「病床機能の分化」を2025年までに進めることを厚生労働省は求めています。

 茨城県では、約5,000床の急性期病床を削減し、リハビリテーションの中心となる回復期病床を増やすことが期待されています。それと同時に、回復期病床での質の高いリハビリテーションを推進する必要があります。

 このような転換期の中で、大病院の中にも急性期病床の一部を回復期病床に切り替える病院が出てきています。当院の場合、先進医療を行い、より一層急性期に特化した病院をめざすことが求められています。

 例えば、当院への短期間の急性期入院の後(緊急入院や手術入院の後など)、自宅への退院が難しい場合には、リハビリテーションなどのため、連携した回復期の病院に転院していただくことも考えられます。また、自宅へ退院する場合でも、症状が落ち着いた後も治療を継続していただくため、元の診療所や病院へ逆紹介する場合もあります。このため、当院では連携施設との関係を強め、連携先でも当院の電子カルテの閲覧を可能にするなど、連続した医療・一体化した医療を進めています。

 このように、急性期、回復期、慢性期と、病院を移っていくシステムは欧米などで取り入れられており、連携どころか経営統合(ホールディング・カンパニー)までしている例

もあります。日本での改革は過渡期であるために患者さまやご家族の皆様にはご面倒やご心配をおかけすることもあるかと思いますが、従来よりも良い医療になるよう職員一同、より一層努力して参ります。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

p1 病床区分

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