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未来の医療を創る臨床試験への参加のお願い

第5回「未来の医療を創る臨床試験への参加のお願い」
病院長 吉川 裕之

 「臨床試験」という言葉をご存知でしょうか。臨床試験とは、薬剤や医療器具等の安全性、有効性などを確認するために、治療を兼ねて行われるテストのことを指します。臨床試験は、製薬企業などが厚生労働省の承認のもと新薬・新医療器具の治療データの収集を行ういわゆる治験と、研究者・医師が主体になって新薬や治療法などの効果についてのテストを行う研究者(医師)主導試験の大きく2種類に分けられます。

これらの試験を進める上では、患者さまのご協力が必要で、患者さまの登録なしでは成立しません。かつての日本では、臨床試験全体の件数が極端に少なく、実際の医療現場でのエビデンス(*1)を日本から発信することは多くありませんでした。最近では、臨床試験はもちろん、日本から世界へ向けたエビデンスの発信が活発に行われるようになってきました。

 臨床試験は、患者さまにとっても大きな魅力があります。それは、がん治療に使用される分子標的薬などの臨床試験に参加することで、最新の医薬品による治療が受けられることです。国内での医薬品の許可は受入れていないため、一定のリスクはありますが、これまでにない有効性を期待できるというメリットもあります。こうした新薬は臨床試験に参加しなければ、自費でも使用が難しい薬剤も少なくありません。たとえば、日本から研究が始まった「抗PD-1抗体」という薬剤は、従来の薬剤とは全く異なる特殊な免疫療法で、悪性黒色腫、非小細胞肺がんではすでに保険が適用されています。また、他のがん種でも治験が進んでいます。当院でも一部のがん種では、類似薬も含めて治験(臨床試験)への患者登録が可能です。

 当院より新薬の治験や研究者主導の臨床試験についてご案内することもあるかもしれませんが、質の高い医療を患者さまへ提供するため、医師からの説明をよく聞いて、参加をご考慮いただけると幸いです。

*1 新しい治療法や新薬が良い結果をもたらすという科学的根拠

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