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「インフルエンザ」とは?

 すごしやすい秋が過ぎ北風が吹くようになると、インフルエンザの季節がやってきます。日本のインフルエンザは、毎年11月下旬から12月上旬頃に発生が始まり、翌年の1-3月頃にその数が増加します。発熱・頭痛・全身の倦怠感・筋関節痛などが突然現われ、咳・鼻汁などがこれに続き、約1週間で軽快するのが典型的なインフルエンザの症状です。他のウイルスが原因となる一般のかぜに比べて全身症状が強いのが特徴で、慢性疾患を持つ方や高齢の方には命に関わることもある重大な疾患です。

 インフルエンザに対する治療として、原因ウイルスに対する内服や吸入の抗ウイルス剤があります。発症後早期に使えば発熱など症状を有する期間が短縮するようになりました。しかしこれらの薬は増殖したウイルスの広がりを防ぐことが主な作用ですので、病気を「治す」より「抑える」治療と考えられます。このようなことからインフルエンザに対しては治療よりも予防が重要と考えられています。

 インフルエンザをはじめ人体に感染するウイルスなどの侵入の機会を少なくするためには、まず手を洗います。水道水によって石鹸で洗うことが基本ですが、石鹸がなくてもていねいに洗えば、かなりの効果が期待できます。そして清潔なタオルなどで手を拭くことが大切です。うがいも喉を清潔にし、粘膜をなめらかにしてウイルスなどの侵入の機会を少なくします。ウイルスの予防にはうがい薬は必ずしも必要ありません。マスクはウイルスなどの微小なものは通してしまいますが、つばきなど飛沫の侵入を防ぐことが可能です。マスクをつけたり手を洗うことは、少し体調の悪い人が他の人へウイルスをうつさないためにも有効です。最近では「エチケットマスク」という言葉も使われるようになってきており、咳が出る方はマスクをすることが常識になりつつあります。

 インフルエンザに対して科学的な予防方法として世界的に認められているものは、現行のインフルエンザHAワクチンです。発病を完全に防ぐことはできませんが、高熱などの症状を軽くし、合併症による入院や死亡を減らすことが期待できます。

 13歳以上では過去にインフルエンザに感染して免疫が少しずつできてくると考えられるため、接種回数は年に1回でもよいとされています。13歳未満の場合は2回が原則で、接種の間隔は3~4週とされています。ワクチンの接種を受けてから体内の免疫ができてくるには2~4週間かかるので、インフルエンザの流行の前、11月頃に接種をすませておいたほうがよいでしょう。インフルエンザにかかりやすいのは子どもですが、かかった場合に重くなりやすいのは高齢者です。また、ぜんそく・肺気腫・心疾患・糖尿病などの慢性疾患を持つ人がインフルエンザにかかると、もともとの病気も悪くなりやすいので、これらの方々も早めに接種しておくとよいと思います。

 インフルエンザワクチンによる副反応については、注射した場所が赤くなることが10%程度、発熱など全身反応は1%以下で、死亡あるいは生涯にわたりハンデイキャップとなる重篤な副反応の発生は、100万接種あたり1件未満と低率です。発熱のある方、重篤な急性疾患のある方、インフルエンザワクチンによるアレルギーのある方を除けば、皆様にインフルエンザワクチンの接種をお勧めします。なお、65歳以上の高齢者等には公費一部負担があります。詳しくは下記あるいは市町村にお尋ねください。

     ●呼吸器内科 鏑木 孝之

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