当科の特色

筑波大学地域臨床教育センター准教授

部長
第一診療部長
後藤 大輔



(ごとう だいすけ)

全身疾患である膠原病リウマチ性疾患は、その専門家による診断・治療が重要ですが、さらに各臓器の専門科が充実した当院での診療をお勧めします。


県央の膠原病リウマチ性疾患の基幹病院として

 2012年4月からは常勤医師2名を維持し、近隣に専門医が少ない中、外来/入院の専門診療が可能な膠原病リウマチ診療における県央の膠原病リウマチ疾患の基幹病院の一つとなっています。さらに2017年4月以降は、若手医師1名が筑波大学から派遣され、専門医として研鑽を積みつつも積極的に診療に参加し、当科の診療のパワーアップに貢献してくれています。
 現在、受診された全ての患者さんに最良の医療を提供できるように、筑波大学の膠原病リウマチアレルギー科とも連携しながら、最先端の治療法を駆使した医療を継続する努力を続けております。
 今後も、膠原病リウマチ科での診察が必要な患者さんを、適切なタイミングで、一人でも多く診させていただくため、さらなるスタッフの充足と診療技術の向上を目指し、いずれは茨城県内の膠原病リウマチ診療の拠点としての茨城県立リウマチセンターの設立を目標にしています。

スタッフ紹介


部長
第一診療部長
後藤 大輔



(ごとう だいすけ)

専門領域
  • 膠原病・リウマチ
資格
  • 日本内科学会 認定内科医・指導医
  • 日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医・評議員
  • 日本アレルギー学会 アレルギー専門医
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会
  • 日本アレルギー学会
  • 日本臨床免疫学会
  • 日本シェーグレン症候群学会

部長(難治性疾患担当)
髙野 洋平



(たかの ようへい)

専門領域
  • 膠原病・リウマチ
資格
  • 日本内科学会 認定内科医
  • 日本リウマチ学会 リウマチ専門医
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会

医長
西成田 悠





(にしなりた ゆう)

専門領域
  • 膠原病・リウマチ
資格
  • 日本内科学会 認定内科医
  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化管学会 胃腸科専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 内視鏡専門医
  • 日本肝臓学会 肝臓専門医
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化管学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本肝臓学会
  • 日本リウマチ学会

医員(専攻医)
頼 哲誼





(らい あきよし)

専門領域
  • 膠原病・リウマチ
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会

(非常勤医師)
赤尾 敏之



(あかお さとし)

専門領域
  • 膠原病・リウマチ
  • 腎臓
  • 透析
資格
  • 日本内科学会 認定医
  • 日本リウマチ学会 リウマチ専門医
  • 日本腎臓学会 腎臓専門医
  • 日本透析医学会 透析専門医
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会
  • 日本腎臓学会
  • 日本透析医学会

(非常勤医師)
村田 琴美



(むらた ことみ)

専門領域
  • 膠原病・リウマチ
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会

(非常勤医師)
吉田 仁美



(よしだ まみ)

専門領域
  • 膠原病・リウマチ
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会   

主な対象疾患・治療法

対象となる膠原病リウマチ疾患

 膠原病とは,本来,外敵から体を守るための免疫という力が、何らかの原因(膠原病リウマチ疾患の原因は、いまだに不明です)により、自分自身の体を攻撃するようになってしまう病気の総称です。
 具体的には、関節リウマチ、全身性エリスマトーデス、抗リン脂質抗体症候群、シェーグレン症候群、全身性強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎、混合性結合組織病、血管炎症候群(結節性多発動脈炎,顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球多発血管炎性肉芽腫症など)、ベーチェット病(血管型、腸管型、神経型含む)、成人発症スティル病、高安病、リウマチ性多発筋痛症、脊椎関節炎(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎)、IgG4関連疾患などの病気が有ります。

膠原病リウマチ疾患における様々な内臓障害

 膠原病リウマチ性疾患は、中枢神経病変、末梢神経障害、皮膚潰瘍、眼病変、心膜炎、胸膜炎、間質性肺炎、肝炎、膵炎、潰瘍性消化管病変、腸管気腫、糸球体腎炎、間質性腎炎、肺高血圧症、腎クリーゼ、深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症、習慣流産、血球貪食症候群、溶血性貧血、自己免疫性血小板減少症、白血球減少症、播種性血管内凝固症候群など全身のありとあらゆる臓器障害を合併します。
 そうした合併症を含めた状態を評価した上で、治療法を検討することになります。

当科での治療方針

 治療には、多くの場合、免疫異常を制御するために免疫抑制薬を使用することになりますが、治療中の合併症として日和見感染なども注意しなければなりません。従って、膠原病リウマチ疾患の診断、治療は上記のような病態と合併症を良く理解している専門医による診療が望まれます。
 現在、膠原病リウマチ領域の診断、治療は格段に進歩しております。とくに関節リウマチは、分子生物学的研究の成果により登場した生物学的製剤により、以前には考えられなかった「寛解」や「治癒」を目標にするところまできています。当院でも、通常の免疫抑制薬や免疫グロブリン製剤に加えて、レミケード、エンブレル、ヒュミラ、アクテムラ、オレンシア、シンポニー、シムジア、ケブザラ、リツキサン、ベンリスタなどの注射製剤や、現在5製剤となっているJak阻害薬の経口の生物学的製剤を、安全性を考慮しながら適切に使用した治療を行っております。
 他の膠原病においても、最新のエビデンスと科学的根拠に基づいた治療を行っております。また、筑波大学附属病院とも連携を行い、常に最先端の治療ができるように診療を心掛けております。

診療実績

令和5年度

 外来診療においては、最新の治療薬である生物学的製剤での治療も積極的に行っております。令和5年度(2023年度)の具体的な治療薬別の患者数は別表の通りですが、合計で171例(前年から8例増加)となっています。これらの治療は、高い治療効果はもちろん期待できますが、副作用にも注意しながら使用する必要があります。病態を改善させることも重要ではありますが、安全性を最優先するべきであり、副作用には十分に注意しながら治療することを心掛けています。その点で、世界中で使用経験が未熟で、新たな副作用情報も出ているJAK阻害薬の使用に関しては、当院での使用はオルミエント®が3例継続のみで、慎重に使用しています。また、点滴製剤の投与については、コロナ渦から引き続き1週間前からの体温を含めた体調を確認した上で、化学療法室にて安全かつ適切に投与を行っています。さらに、在宅で自己注射が出来る製剤も増えてきており、エンブレル®、ヒュミラ®、シムジア®、アクテムラ®、オレンシア®、シンポニー®、ケブザラ®などの主として関節リウマチ治療に使用する製剤のほか、全身性エリテマトーデス治療に使用されるベンリスタ®も含めて、在宅自己注射治療に向けて、担当の看護師が丁寧に指導し、患者自身で注射管理ができるのを確認した上で、在宅での自己注射治療へ移行しております。

 入院診療に関しては、膠原病リウマチ疾患の特徴である様々な臓器障害の評価を行なった上での初期寛解導入治療と、免疫抑制療法による易感染性が原因と考えられる感染症に対する治療などによるものが主となっています。膠原病リウマチ疾患は全身疾患であり、多岐にわたる臓器の専門家が所属する当院のような総合病院での診断、治療導入が適切であると考えます。

 具体的な診療実績に関しては、令和4年度(2022年度)からは、実質的な人員が減少となり、さらには1年間通じて引き続き新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けたことなどが影響し、前年から入院との両方で患者数が減少しています。具体的には、患者総数は外来が延べ人数で5,298名(前年度5,695名;397名(7.0%)減)、入院は延べ人数で1,713名(前年度1,865名;152名(8.2%)減)と減少しました。外来/入院患者の内訳は、罹患率の高い関節リウマチの患者(間質性肺炎合併例も含む)が最も多く、リウマチ性多発筋痛症、RS3PE症候群、顕微鏡的多発血管炎、全身性強皮症、全身性エリテマトーデス、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、多発性筋炎/皮膚筋炎(間質性肺炎合併例を含む)の患者等々となっています。ただ、令和5年度も総合診療科業務縮小の影響で、当科疾患以外の、いわゆる「振り分け困難症例」の入院が、当科入院患者数の3−5割を占める状況となり、状況によっては当科疾患の患者さんを他院にお願いしなければならないこともありました。

(別表) 令和5年度 生物学的製剤の投与患者数


※オルミエント錠以外のJAK阻害薬(ゼルヤンツ錠、スマイラフ錠、リンヴォック錠、ジセレカ錠)の使用症例はなし。

薬剤名患者数
レミケード®3
エンブレル®8
アクテムラ®42
ヒュミラ®10
オレンシア®76
シンポニー®12
シムジア®3
ケブザラ®0
コセンティクス®2
ベンリスタ®11
トレムフィア1
オルミエント錠3
合計171

臨床研究

膠原病・リウマチ科臨床研究発表実績

茨城県立中央病院臨床研究発表実績まとめ

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