1.活動の目的
糖尿病療養指導において,評価・治療は専門性を増してきており,各職種が専門性を活かしつつ密接な連携を保つチームアプローチが必要となっています。
糖尿病ケアチームは、糖尿病療養指導の充実及び医療の質向上を図ることを目的とし活動しています。構成メンバーは、糖尿病専門医、糖尿病に関わる医師、糖尿病看護認定看護師、日本糖尿病療養指導士、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師 等です。
2.主な活動内容
糖尿病は様々な病型と多様な病態を有する慢性疾患であり、患者さん自身の疾患に対する理解と意欲が非常に重要です。そのためには各職種が各自の専門分野を活かして協同し患者さんをチームとして支える「患者中心医療」が必要とされます。
糖尿病ケアチームは、各職種の専門性を活かし連携をとりながら糖尿病療養指導の充実及び医療の質向上を図ることも目的とし活動しています。R2年度は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、様々な活動を制限せざるを得ない状況となりましたが、感染対策を行いながらできる範囲での活動を行いました。
- 患者・家族等を対象とする集団指導の「糖尿病教室」企画運営⇒休校期間(5、6、12-3月)あり
- 糖尿病に関する問題事項や取り決め等の検討;「糖尿病連絡会議」開催⇒メール会議活用
- 糖尿病予防・重症化予防啓発活動;「糖尿病週間イベント」⇒冊子等の展示のみに縮小
- 院内・院外の医療従事者を対象とした研修会;茨城県看護協会主催「糖尿病看護」44名参加
- その他の活動;糖尿病看護外来、糖尿病透析予防指導カンファレンス、訪問看護等
3.活動実績
令和5年度
R5年5月8日より新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症となったことで、制限されていた「糖尿病教室」や「糖尿病週間イベント・療養相談」も再開することができました。また、茨城県のモデル事業「カードシステムを活用した腎症重症化予防事業」にも積極的に参加することができました。
看護外来では、延639件/年介入し、内582件(91%)が診療報酬算定に繋がりました。その中でも、糖尿病透析予防指導管理料算定は、延322件でした。その算定者(実数)は94名でHbA1cは、92%が改善・維持、eGFRは65%が改善・維持、血圧は71%が改善・維持でき、介入の成果が見られています。
糖尿病薬の進歩とともに、糖尿病薬や注射に関連するインシデントが増加した為、「絶食時(検査時)の糖尿病薬・インスリン注射取り扱い一覧」の見直し・改定を行いました。その結果、検査時の誤投与はR4年度の7件から3件へ減っています。チームとして薬剤に関するリスクマネジメントも重要な役割と考えます。
今後も「生活者」である糖尿病患者及び家族への療養生活指導の充実・質向上に向けて、チームで連携をとり努力していきます。
令和4年度
看護外来(資料3.4)は、延547件介入中501件(91%)が算定に繋がりました。糖尿病透析予防指導管理料算定者(資料5)は、66名で、HbA1c改善・維持が88%、eGFR改善・維持が74%、血圧の改善・維持が60%で、介入の成果が見られています。糖尿病薬の進歩とともに、糖尿病薬や注射に関連するインシデント(資料1.2)が増加しています。チームとして薬剤に関するリスクマネジメントも重要な役割と考えます。
今後も「生活者」である糖尿病患者及び家族への療養生活指導の充実・質向上に向けて、チームで連携をとり努力していきます。
指導 | 延件数 |
SMBG | 35 |
注射 | 111 |
リブレ | 45 |
透析予防 | 298 |
フットケア | 31 |
GDM | 31 |
その他 | 133 |
合計 | 684 |
令和3年度
看護外来は、654件介入中94%算定に繋がりました。糖尿病透析予防指導管理では、115名介入しHbA1c改善・維持が83%、CRE改善・維持が64%、血圧の改善・維持が60%で、年々介入の成果が見られています。今後も「生活者」である糖尿病患者及び家族への療養生活指導の充実・質向上に向けて、チームで連携をとり努力していきます。
令和2年度
看護外来では、660件介入中96%算定に繋がり、R1年度に比べ29%増加することができました。糖尿病透析予防指導では、108名介入しHbA1c改善・維持が66%、CRE改善・維持が63%、血液の改善・維持が55%で介入の成果が見られています。今後も「生活者」である糖尿病患者及び家族への療養生活指導の充実・質向上に向けて、チームで連携をとり努力していきます。
令和元年度
平成30年度
糖尿病教室企画運営
受講状況:年間473件 平均39.4件
糖尿病連絡会議開催
開催状況:定期12回
糖尿病週間イベント企画運営
開催日:平成30年11月12日~16日
実施内容
- 療養相談(各1時間ずつ) 11月13、14、15日の3日間で相談者50名
- 指先エーワンシー・血糖測定 11月16日で参加者100名 ※指先エーワンシー…指先から採取した血液で簡単に血糖コントロールの状態を調べることができる。
VTRで糖尿病について学ぶ参加者
食品サンプルでわかりやすく
外来ホールにて展示をご覧になる方々
指先エーワンシーを体験する参加者
療養相談では体脂肪測定や
健康相談などが行われました
糖尿病ケアチームのスタッフで
院内研修会企画運営
実施内容
- 糖尿病看護研修会「あなたの疑問に答えます!」
7回開催 受講者:平均15名 - 糖尿病Web研修会 6回開催 受講者:平均29名
実施日 | 内容 | 担当 |
---|---|---|
①6/7(木) 17:45~ 本館会議室 | ●『あなたの疑問に答えます!』ぱーと1. 入院患者さんより「いつもよりご飯の量が少ない。」とお怒りの声。 あなたは説明できますか?「食品交換表とカーボカウントについて」 | 管理栄養士 CDEJ CN |
②7/5(木) 17:45~ 本館会議室 | ●『あなたの疑問に答えます!』ぱーと2. 「血糖値が低いときにインスリン注射はどうしたらいいの?」 インスリン製剤とインスリン以外の注射薬、糖尿病治療薬 退院指導に役に立つ!「低血糖時の対処法」「シックデイルール」 | 薬剤師 CDEJ CN |
③8/2(木) 17:45~ 本館会議室 | ●『あなたの疑問に答えます!』ぱーと3. 患者さんへ説明できますか? 「禁食検査時は、注射・薬どうしたらい~い?」 「注射するの忘れちゃった!どうしたらい~い?」 | 薬剤師 CDEJ CN |
④9/6(木) 17:45~ 本館会議室 | ●『あなたの疑問に答えます!』ぱーと4. 最近の治療について知りたい 「こんなに進化した!!最新の糖尿病治療」 | 志鎌医師 CDEJ CN |
⑤10/4 17:45~ 本館会議室 | ●『あなたの疑問に答えます!』ぱーと5. 糖尿病患者さんが入院して色々検査するけれど... 何を調べているの? | 臨床検査技師 CDEJ CN |
⑥11/1(木) 17:45~ 本館会議室 | ●『あなたの疑問に答えます!』ぱーと6. 足の観察ってどこをみればいいの? フットケア演習あり | CDEJ CN |
⑦12/6(木) 17:45~ 本館会議室 | ●事例特集 「糖尿病合併症を持つ患者への介入から」 糖尿病看護・透析看護・心不全看護認定看護師による経験から | CN CDEJ |
糖尿病看護外来
糖尿病看護外来:火~金曜日(予約制)
外来状況:年間345件 平均28.7件
その他
電子カルテ、院内ホームページに糖尿病関連マニュアル掲載