リンパ浮腫外来について

 リンパ浮腫とは、主に乳がん・子宮がん・卵巣がん・前立腺がんといった手術や放射線療法、抗がん剤治療などにより、脚や腕にむくみ(浮腫)を発症することがあります。

 治療の影響でリンパ液の流れ込む道が遮断されて傷ついたことにより、リンパ管やリンパ節の働きに障害が生じて、リンパ液が皮膚の一番内側(皮下組織)に溜まった状態をリンパ浮腫といいます。

 リンパ浮腫は治療直後に発症する方もいれば、数年、数十年してから発症する方もいるなど個人差があります。これは、治療の内容、リンパ管の走行状態、体の強さ、リンパ浮腫のきっかけとなった要因、むくみが出てから治療を受けるまでの期間、職業やスポーツによる身体的負担など様々な要因によって差が生じます。

 リンパ浮腫外来では、血管外科の医師とリンパ浮腫資格を持つ看護師が連携し、複合的理学療法(リンパ浮腫治療の基本)に沿ったケアを行います。原則、当院(婦人科・外科・泌尿器科など)でリンパ節切除手術等の治療を受けられた患者さんが対象となります。

主な内容

リンパ浮腫がおきた場合は、早期から適切なケアを開始することでリンパ液の流れを良い状態に保ち、悪化を予防することができます。むくみを悪化させないために、次のような治療を行います。

  1. 圧迫療法(ストッキングや包帯で一定の圧をかけてリンパ液の漏れを抑える)
  2. リンパドレナージ(マッサージ:リンパ液の流れをつくる)
  3. スキンケア(保湿をして皮膚を傷つけないようにする)
  4. 運動療法(筋肉を使ってリンパの流れをよくする)

『リンパ浮腫療法士』『医療リンパドレナージセラピスト』『認定リンパ浮腫セラピスト』といった、リンパ浮腫の専門の資格をもつスタッフが、一人ひとりの患者様の浮腫の状態や生活に合わせた弾性着衣(ストッキング・スリーブ)の選択や、リンパドレナージ(マッサージ)についてお伝えしていきます。

受診について

対象となる方原則、当院(婦人科・外科・泌尿器科など)でリンパ節切除手術等の治療を受けられた患者さん
外来日毎週木曜日(第2週のみ金曜日)9:00~14:30
担当者リンパ浮腫の専門の資格をもつスタッフ
予約・受診方法完全予約制となっております。
【診察までの流れ】
①むくみの状態などを確認して、手術等を担当した科の医師から血管外科医師に紹介します。
②血管外科外来で、リンパ浮腫かどうかの判別や、他にむくみの原因は無いかなどの診察をします。
③リンパ浮腫と判別された場合、改めてリンパ浮腫外来の予約を取ります。
予約日に血管外科の医師の診察後、リンパ浮腫外来にご案内します。
実施場所1階 放射線治療センター診察室(MRI室の近くです)