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診療科

専門センター等

部門・活動

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 (Otorhinolaryngology, Head and Neck Surgery)

医師名 専門領域 所属学会・専門医等

部長、第二診療部長
髙橋 邦明

(たかはし くにあき)

○耳鼻咽喉科
○頭頸部外科全般
○頭頸部腫瘍手術
○がん化学療法
○鼻副鼻腔内視鏡手術
○嚥下機能評価
○甲状腺外科

日本耳鼻咽喉科学会 専門医・指導医・代議員

日本頭頸部外科学会 頭頸部がん専門医・指導医

日本がん治療認定医機構 認定医・暫定教育医
日本頭頸部癌学会
日本気管食道科学会 
日本聴覚医学会

日本嚥下医学会
日本甲状腺外科学会 

部長(頭頸部担当)
上前泊 功

(うえまえとまり いさお)

○耳鼻咽喉科
○頭頸部外科全般
○音声再建外科
○頭頸部がん治療

○嚥下機能評価、改善手術

日本耳鼻咽喉科学会 専門医・指導医
日本頭頸部外科学会 頭頸部がん専門医・指導医
日本耳鼻咽喉科学会 認定補聴器相談医

日本聴覚医学会

日本頭頸部癌学会 

医員(専攻医)

島 嘉秀

(しま よしひで)

○耳鼻咽喉科

 

 

診療科の特色,対象疾患,治療法,症例数,治療成績など

当科は茨城県における耳鼻咽喉科・頭頸部外科診療の基幹施設として,救急急性疾患から頭頸部癌,めまいまで,あらゆる病態に対応しております。特に,頭頸部癌治療や鼻副鼻腔の内視鏡手術に関しては当県の中心的治療施設です。日本耳鼻咽喉科学会専門医研修施設及び日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医研修施設に認定されております。

 頭頸部癌の治療においては,放射線科医や形成外科医、医科歯科連携室の協力を得て,化学放射線治療(CRT)を主体とした保存的治療で機能保存を目指し,局所進行例では術前CRTの後,根治切除と即時再建を行う集学的治療で治療成績の向上とQOL維持をはかっております。上顎がんや鼻腔がんに対しては選択的動注CRTの後の縮小手術、口腔癌に対しては手術治療を基本としています。
早期の喉頭・咽頭がんの方で通院可能な方は,外来でのCRTも選択できます。
25年度から喉頭全摘後の気管食道シャントによる音声機能再建に対応しております。
NBI内視鏡による咽頭、喉頭の表在がん発見に務めておりますが、咽喉頭の表在癌には経口的ビデオ内視鏡手術での切除術により、機能温存を図っております。H27年度の頭頚がん治療例は、甲状腺がんを含め112名ほどでした。

 副鼻腔炎,副鼻腔嚢胞に対する手術的治療としては,鼻内より行う内視鏡手術(ESS)を標準術式とし,術後疼痛の軽減,入院期間の短縮化を実現しております。最近10年間のESS手術件数は900件を超えますが、視覚障害などの重篤な副損傷は幸いに経験しておりません。

突発性難聴,顔面神経麻痺,前庭神経炎,難治性鼻出血や扁桃周囲膿瘍,喉頭蓋炎などの救急疾患は年間200例ほどあり,入院治療を基本とします。

手術実績 平成27年度~ 29年度歴年

 過去3年間の主な入院手術件数は表1の通りです。平成29年度は入院手術件数が410件ほどで、例年と同様です。症例数ベースでは266件でした。

ESS手術機器の更新を平成29年度に行い、Storzの最新型カメラと光源により、より鮮明で立体的な術野を確保できるようになりました。難度の高い術式においても更に安全確実な手術を心がけたいと思います。

平成25年度からの新たな術式として導入した、喉頭摘出患者を対象としプロボックスを用いた音声再建手術(気管食道シャント術)は今年度5例行っており、その有用性については上前泊が平成29年11月に行われた気管食道学会にて、シンポジストとして発表しました。外来での手術件数は例年と同様132件でした。

表1 主な入院手術件数

手術名

27年度

28年度

29年度

口蓋扁桃摘出術・アデノイド切除

82 33 61

口蓋咽頭形成術(UPPP)

3 2 3

内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)

88 89 76
経鼻後鼻神経切除術   4 2

鼻中隔矯正術

42 43 45

粘膜下下鼻甲介骨切除

22 29 18

上顎悪性腫瘍切除

2 4 1

鼻副鼻腔腫瘍摘出、切除(TEMM を含む)

5 11 7

喉頭直達鏡手術

44 43 34

鼓室形成術・鼓膜形成術・乳突削開術

7 2 2

鼓膜チューブ留置

4 3 3

耳ろう管摘出・外耳道腫瘍摘出

3 3 7

耳下腺腫瘍摘出術(良性)

11 15 18

顎下腺摘出術・顎下腺腫瘍摘出術

11 4 5
舌腫瘍・口蓋腫瘍摘出(良性)   8 7
TOVSによる咽頭腫瘍摘出 (良性)  

8

2
大唾液腺癌(耳下腺、顎下腺)切除術 3 4 1

頸のう摘出術・頸部良性腫瘍摘出術

8 7 5

喉頭・咽頭癌手術(TOVS, 再建含む)

13 14 14

舌・口腔癌手術(再建含む)

3 3 6

甲状腺悪性腫瘍手術 / 甲状腺腫摘出術

24/6 15/11 19/8

頸部郭清術

36

41 32

気管食道シャント(TEP)

1

4 5

深頸部膿瘍切開術・咽後膿瘍切開術

5

4 4

気管切開術(緊急/ 予定)

19/15

14/13 16/15

他 入院手術件数合計(手術室分)

425

347 416

入院患者内訳

 ○平成29年度入院患者実数:486 名  (平成28年度 480名)

 ○平成29年度平均在院日数:13.1 日(平成28年度 12.7日)
 29年度は入院患者実数、平均在院日数とも28年度と同様でした。頭頸部がん症例に対する短期での化学療法例数の増加、緩和治療例の他院へ依頼、救急入院患者さんのお受けいれなどにより、在院日数はここ数年短縮傾向にあります。頭頸部という特異な部位にも拘らず、終末期患者の受け入れをいただける近隣の療養病院、在宅専門クリニック様、調整下さる相談室スタッフの皆様には大変感謝しております。

外来診療

 26 年度半ばより、紹介患者さんや予約患者さんへの利便性向上を目的として、電話予約制度が開始されています。特定療養費の改定と共に新規の予約外患者さんを抑制することで、待ち時間軽減に利することが期待されました。しかしながら、当科のように急患も並行してみている診療科においては、待ち時間の短縮にはつながっていないのが現状でした。幸い平成30年度から医師スタッフが1名増員されたことに伴い、予診診察ブースを前提機能検査室に設け、新患予約外患者さんの診察に対応しています。平成30年中にはこのブースでも内視鏡検査が行えるよう拡充する予定です。

*嚥下外来について
 嚥下機能評価に関しては、他科からの評価依頼増加に応えるため、平成27年1月から嚥下外来枠として隔週の月曜日の午後にコンサルテーション患者さんについて診ています。嚥下内視鏡検査を中心とした機能評価で上前泊が担当、摂食嚥下認定看護師の加倉井と菊池、NST スタッフと共に評価や嚥下指導を行っています。耳鼻咽喉科疾患、頭頸部腫瘍のサイコオンコロジーにおける漢方治療については、境が専門家として精通しており、入院、外来何れにおいても本治療を担当しています。

頭頸部がん治療の内訳 

 2015、16、17年次(1月~12月)別(日本頭頸部外科学会報告様式に従う)外来での治療分を含みます。

表2 頭頸部癌新患症例 年次別 (外来、セカンドオピニオン含む)

部位 2015 2016 2017
口腔がん 14 7 9
咽頭がん 37 32 39
喉頭がん 20 20 28
鼻・副鼻腔がん 5 2 6
甲状腺がん 24 28 24
唾液腺がん 5 4 6
その他の悪性腫瘍 7 8 5
112 101 117

 表3 放射線治療・化学療法・緩和治療例(主たる治療が手術以外)

部位 2015 2016 2017
口腔がん 8 3 4
咽頭がん 30 26 34
喉頭がん 17 12 10
鼻・副鼻腔がん 4 1 6
甲状腺がん 2 4 2
唾液腺がん 1 2 1
その他の悪性腫瘍 4 4 1
55 66 58

表4 手術症例(主たる治療が手術)

部位 2015 2016 2017
口腔がん 6 4 6
咽頭がん 9 6 5
喉頭がん 5 8 19
鼻・副鼻腔がん 1 1 1
甲状腺がん 22 24 22
唾液腺がん 4 2 6
その他の悪性腫瘍 3 4 4
50 49 63

 25年度から、扁平上皮癌例の病理検査時にp-16による免疫染色を依頼し、高リスク型がん関連ウイルスであるHPV16型の関与の有無を見ています。p16陽性のSCCは、放射線化学療法のgood responderであることが知られており、今回改定されたUICC 2017年版(第8版)における中咽頭がんのTMN分類においても, p16染色性が取り入られています。

 頭頸部がん症例では、重複がん症例、希少例、超高齢例、腎不全などの重篤合併症例などの重症例が、県南、県北部の基幹病院からも当院に依頼されることが多くなりました。これは、当院が県の総合的ながん治療の中心としの役割を担っていることを反映しているものと考えています。

 平成28年度に咽喉頭鏡視下手術の設備が導入され、咽喉頭の早期がん、表在癌に対するCO2レーザーあるいはMonopolarによる経口的咽喉頭切除 (TOVS, TOMS) を行っています。本邦では未だこれらの疾患に対するda Vinciによる経口的ロボット手術(TORS)が薬事認可されておりませんが、現在先進医療B項目で国内3か所の施設で臨床応用が進められており、上前泊を中心に近い将来のTORSの保険収載に備え、他施設での研修を進めているところです。

 頭頸部がん患者さんの治療に伴う摂食・嚥下障害について話し合う場として、平成30年3月から新たに、多職種による「頭頸部がん嚥下カンファランス」を立ち上げ、毎週月曜に行っています。これは頭頸部外科医に加え、歯科口腔外科医、病棟担当の薬剤師、摂食嚥下認定看護師、放射線治療認定看護師の参加を得、放射線化学療法に伴う摂食の問題、術後の嚥下障害など、嚥下に関する治療に伴う様々な問題に対し、程度の評価と嚥下訓練法、鎮痛対策などを議論するものです。その内容は翌日から認定看護師や歯科衛生士による指導に生かされています。

 甲状腺分化がんのhigh risk groupに対する全摘後の低用量放射性ヨード治療( ablation)が当院放射線科でも可能となり、局所進行分化癌の全摘後に依頼しています。遠隔転移を生じた分化癌に対する高用量RAI治療については、入院隔離設備が必要となるため当県で治療設備を備えている施設はないため、適応患者さんの多くは補完全摘後に隣県の栃木がんセンターの放射線科に依頼しているのが現状です。甲状腺癌に対する分子標的薬が新たに認可されていますが、RAI不応の甲状腺分化癌転移例が主な適応となります。また、気管内腔に浸潤した進行例では、呼吸器外科と共に気管管状切除と一期的再建による根治術により、音声機能及び嚥下機能とも温存した術式を目指しています。

 当科は頭頸部がん専門医研修施設として、日本頭頸部癌学会が行う全国頭頸部悪性腫瘍登録事業に協力する義務を有しています。平成29年度に当院の倫理委員会の許可を得、HP上に本研究に関する告知文を掲載しております。ご協力をよろしくお願いいたします。

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