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放射線治療科 (Radiation Oncology)

当科の特色

部長
放射線治療センター長
副病院長
筑波大学付属病院
放射線腫瘍科臨床教授

奥村 敏之
(おくむら としゆき)

全ての患者さんに最適な放射線治療を提供します


放射線治療は低侵襲

 放射線治療は、細胞の遺伝子に作用して細胞を死滅させます。最近では、放射線治療で、がんに対する免疫機能が増強することもわかってきました。放射線治療の魅力は、1)臓器機能や形態を残せること。2)治療技術の進歩で、副作用が少なく、より高い治療効果が得られるようになったこと。3)高齢者や合併症があっても、治療が受けられることが多いこと。などが挙げられます。高齢化が進み、がん患者が増えている現在の日本社会において、「ぴったりのがん治療」と言えるかもしれません。

充実した専門スタッフ

 当院の放射線治療センターは、放射線治療専門の常勤医4名の他、医学物理士2名、診療放射線技師8名、がん放射線療法認定看護師3名が勤務しています。高度な放射線治療を提供するために必要な資格を有するスタッフがバランスよく揃っているという点では、県内トップクラスの施設です。

最先端の治療装置と治療技術

 治療装置は2台のリニアック(体外から放射線をあてる装置)と、子宮がんなどの治療に必要な遠隔密封小線源治療装置(RALS)を備えています。これらの装置を用いて、高精度放射線治療と呼ばれる、強度変調放射線治療(IMRT/VMAT)や定位放射線治療(いわゆるピンポイント照射)、呼吸同期照射、画像誘導放射線治療、画像誘導小線源治療を実施しています。

 当院は、日本放射線腫瘍学会(JASTRO)認定施設として認定を受けています。JASTRO認定施設について詳しく知りたい方は、下記よりご覧ください。

 公益社団法人 日本放射線腫瘍学会 JASTRO認定施設一覧(別リンク)

全てのステージの患者さんのために

 放射線治療は、ほとんど全ての悪性腫瘍(がんや肉腫)が対象になります。また、治癒を目指す治療から緩和ケアまで、全てのステージでがんの治療に貢献できます。その目的を達成するために、多くの診療科とチームを組み、カンファレンスを通してがん診療にあたっています。治療中の不安や副作用には、がん放射線療法認定看護師が医師と連携しながら対応します。

 ご自身の病気に放射線治療が適しているかどうか知りたい方は、是非、放射線治療科を受診して下さい。セカンドオピニオンも利用できます。

最先端の治療装置と治療技術で最善を尽くします

最新の治療装置
リラックス効果のあるスカイシーリング
ゆったりとした広さを確保した診察室
モニターも設置、カンファレンス室

スタッフ紹介


 

部長
放射線治療センター長

副病院長
筑波大学付属病院放射線腫瘍科臨床教授

奥村 敏之 (おくむら としゆき)


専門領域

がんの放射線治療

所属学会・専門医等

  • 日本医学放射線学会 放射線治療専門医
  • 日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医・代議員
  • 日本がん治療認定医機構 認定医
  • 日本癌治療学会
  • 日本医学物理学会
  • 日本肺癌学会
  • 日本頭頸部癌学会
  • 日本核医学会
  • 日本肝癌研究会
  • 日本定位放射線学会
  • 米国放射線腫瘍学会
  • 欧州放射線腫瘍学会
  • 日本中性子捕捉療法学会
  • 医学物理士認定機構 評議員

 

医長
加沼 玲子 (かぬま れいこ)


専門領域

放射線治療

所属学会・専門医等

  • 日本医学放射線学会 放射線治療専門医・研修指導者
  • 日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医

 

医員
廣嶋 悠一 (ひろしま ゆういち)


専門領域

放射線治療

緩和医療

所属学会・専門医等

  • 日本医学放射線学会 放射線治療専門医・研修指導者
  • 日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医
  • 日本緩和医療学会 緩和医療認定医・研修指導者
  • 日本がん治療認定医機構 日本がん治療認定医
  • 日本癌治療学会
  • 日本食道学会
  • 日本ハイパーサーミア学会
  • 欧州放射線腫瘍学会(ESTRO)

 

医員(専攻医)
新田 葉月 (にった はづき)


専門領域

放射線治療

所属学会・専門医等

 


 

(非常勤医師)
玉木 義雄 (たまき よしお)


専門領域

各種癌の放射線治療

(頭頸部癌、食道癌、婦人科癌、悪性リンパ腫など)

ラジオアイソトープ治療

所属学会・専門医等

  • 日本医学放射線学会 放射線治療専門医、研修指導者
  • 日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医
  • がん治療認定医機構 認定医
  • 日本リンパ網内系学会 評議員
  • 日本ハイパーサーミア学会 指導医・評議員
  • 日本頭頸部がん学会
  • 日本肺癌学会
  • 日本乳癌学会
  • 日本核医学会
  • 日本癌治療学会
  • 日本小児がん学会
  • 日本定位放射線治療学会
  • 日本食道学会
  • 欧州放射線腫瘍学会(ESTRO)

 

(非常勤医師)

筑波大学医学医療系放射線腫瘍学教授
櫻井 英幸 (さくらい ひでゆき)


専門領域

放射線治療

所属学会・専門医等

  • 日本医学放射線学会 放射線治療専門医
  • 日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医
  • 日本がん治療認定医機構 認定医

 

(非常勤医師)
飯泉 天志 (いいずみ たかし)


専門領域

放射線治療

所属学会・専門医等

  • 日本医学放射線学会 放射線治療専門医
  • 日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医

 

(非常勤医師)
藤岡 伝 (ふじおか でん)


専門領域

放射線治療

所属学会・専門医等

  • 日本医学放射線学会
  • 日本放射線腫瘍学会

 

(非常勤医師)
後藤 雅明(ごとう まさあき)


専門領域

放射線治療

所属学会・専門医等

  • 日本医学放射線学会
  • 日本放射線腫瘍学会

主な対象疾患・治療法

放射線治療の手順

 最初に放射線治療医の診察を受け治療法や線量、治療回数を決定します。次に、実際の治療体位で治療部位に適した固定具(写真1)を作成します。その後、治療計画専用CT装置(写真2)で治療部位のCT画像を撮影します。この時、呼吸性移動が大きい病巣では、呼吸停止法や4次元CTを撮影して呼吸同期照射を行います。

 撮影したCT画像は、治療計画専用コンピュータに転送し、体内の線量分布図を見ながら、個々の患者さんに最適な治療法を計画します。一般的な放射線治療はこの計算結果に基づいて実際の治療が行われます。IMRT/VMATでは装置の動きが複雑なため、ファントムを用いて線量の検証を行い、正確に治療できることを確認してから実際の治療が行われます。これらの手順は、医師、物理士、技師、看護師が分担して行い、連携を取りながら放射線治療チームとして、安全・安心な治療を提供できるシステムを構築しています。

 診察室は緑を基調とした広くて開放的な作りとなっています。患者さんご自身の画像や体内の放射線の分布をモニターに示しながら、丁寧な診察を心がけています。

(写真1)頭頸部領域の固定具


(写真2)最新の治療計画CT


強度変調放射線治療(IMRT/VMAT)

 IMRT/VMATは、複雑な病巣の形状に合わせた線量分布を作成することができる治療法です。病巣に線量を集中させ、周囲の正常祖期の線量を少なくすることができます。そのため、放射線による正常組織への副作用の軽減と、線量増加による治療成績の向上が期待できます。

 最適な線量分布を作成するためには、高性能コンピュータを駆使しても時間がかかる作業となります。作成した線量分布は、ファントムで線量分布を検証した後に、実際の治療を行います。

対象疾患

 一般的には、前立腺がん、頭頸部がんがIMRT/VMATの対象疾患ですが、当院では、肺がん、食道がん、婦人科がんなど遠隔転移のないすべてのがんに対してIMRT/VMATを行っています。オリゴ転移と呼ばれる少数の転移巣にもIMRT/VMATを行うことが可能です。

【肺がんに対するVMAT】 

定位放射線治療(STI)

 定位放射線治療は、体内の小さな病巣に対して、短期間に多くの線量を集中して投与する治療法です。1回で治療する方法を、定位放射線手術(SRS)、2回以上に分けて治療する方法をSRTと言います。治療部位によって、脳定位放射線治療と体幹部定位放射線治療に分けられます。当院では、部位に関わらずリニアックを用いて定位放射線治療を行っています。

1.脳定位放射線治療

複数の病変を一度に治療できるシステム(Multiple Brain Mets system)を導入しています。このシステムは、従来のシステムと比べて治療時間を大幅に短縮でき、患者さんの苦痛が軽減できています。脳定位放射線治療の治療回数は直径3㎝以下の病巣では1回~3回で、3㎝以上の病巣は5回から8回で治療します。1回の治療に要する時間は30分前後です。

対象疾患

各種がんの脳転移が主な対象です。聴神経腫瘍や動静脈奇形なども保険適応がありますが、当院では実施していません。

【多発性脳転移に対する脳定位放射線治療】


2.体幹部定位放射線治療(SBRT)

 脳以外の臓器に発生した小型のがん病巣に対して、放射線を集中させて行う治療です。当院では、小型肺がんは4回/4日または10回/2週、肝腫瘍には5回~10回/1~2週で治療しています。短期間で治療が終わり、外来通院でも受けられる治療法です。病巣の近傍に金マーカを挿入して行う、動体追跡放射線治療(迎撃照射)は県内では当院のみで行っています。

対象疾患

 保険診療で認められている疾患は、肺がん(原発、転移)、肝がん(原発、転移)、前立腺がん、膵臓がん、転移性脊椎腫瘍、5個以内の遠隔転移です(2022年2月現在)。体幹部定位放射線治療は、今後需要が高まる治療法です。

【肺がんのSBRT(線量分布図)】

SpaceOARシステム

 当院では、前立腺がんの強度変調放射背治療を行うにあたり、前立腺後面と直腸の間にハイドロゲル(SpaceOARという)を挿入しています。ハイドロゲルがスペーサとなって、直腸にあたる放射線の量を少なくことができます。

 この処置のためには、1泊入院していただきます。挿入したハイドロゲルは約3か月後には吸収されて体内から消失します。SpaceOARを挿入した前立腺がんでは、1回の線量を2.5グレイ、治療回数を28回に短縮しました。今後はさらに治療期間を短縮する予定です。

 

SpaceOARの手技
(JASTROガイドラインからの転用)

密封小線源治療

 ヒトの体内に器具を挿入し、遠隔密封小線源治療装置(RALS)でがんの近傍に線源を送り込み、がんの内部や近傍から放射線をあてる治療法です。器具を挿入した状態でCT画像を撮影し、治療計画装置で線量分布を計算し、腫瘍や正常組織に適切な線量を投与できるように調節して治療を行います(画像誘導密封小線源治療という)。器具挿入と同時に、腫瘍の中に直接テフロン針を刺入するハイブリッド腔内照射も行っています。

対象疾患

子宮頸がん、子宮体がん、腟がんが主な対象です。

【遠隔式リモートアフターローダー(RALS)装置】
【腔内照射の線量分布図】

放射線内用療法(ラジオアイソトープ治療)

 放射性同位元素(RI;ラジオアイソトープ)を経口投与あるいは注射して行う治療です。体内に入ったRIから放出されるアルファ線やベータ―線によって、細胞レベルでの治療ができます。当院では、塩化ラジウム(Ra-223)と放射性ヨウ素(I-131)による放射線内用療法を行っています。なお、入院が必要な患者さんは、他の施設(主に県外)にご紹介しています。

対象疾患

骨転移を有する前立腺がん(Ra-223 )、甲状腺がん術後のアブレーションおよびバセドウ病(I-131)

診療実績

令和2年度 実績 

放射線治療患者数

新規放射線治療患者数は412例(放射線内用療法を含む)で、再治療を含めると延べ518例でした。(表1)。

高精度放射線治療 

強度変調放射線治療(IMRT/VMAT)を158例、定位照射治療を63例に行いました(表2)。

密封小線源治療

高線量率腔内照射を行ったのは37例で、大部分は子宮頚がんでした(表2)。

放射線内用療法(RI治療)

放射性ヨウ素内用療法を7例、ラジウム223による前立腺癌骨転移の治療を6例(延べ32回)行いました。

緩和放射線治療

骨転移に対する治療を96例、脳転移に対する治療を52例に行いました。

診療実績の詳細は「放射線治療センター」に記載しておりますのでこちらもご覧ください。

(表1)新規放射線治療患者の原発部位

原発部位 症例数(名) 割合(%)
肺・縦隔 82 19.9
泌尿器 59 14.3
乳腺 61 14.8
婦人科 57 13.8
胃・腸 41 10.0
頭頚部 41 10.0
肝・胆・膵 20 4.9
リンパ造血器 16 3.9
食道 22 5.3
皮膚・骨・軟部 5 1.2
脳・脊髄 1 0.2
その他(悪性) 5 1.2
良性 2 0.5
全体 412 100
 
(表2)特殊治療の内訳
  のべ患者数(名)
定位放射線治療 63
  29
  体幹部 34
強度変調放射線治療(IMRT) 158
  前立腺がん 45
  頭頸部がん 33
  子宮がん 16
  肺がん 18
  食道がん 10
  その他 37
密封小線源治療 37
非密封小線源治療(RI治療) 13
  ヨウ素131 7
  ラジウム223 6(のべ32)

臨床研究・業績

 日本放射線腫瘍学研究機構(JROSG)や日本臨床研究グループ(JCOG)、婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)で行われている多施設協同研究に参加しています。また、がん県民公開セミナーを通して、放射線治療を知っていただく活動を行っています。放射線治療科で行っている研究や業績ならびに公開セミナーは下記のリンク集からご覧ください。

リンク集

業績

茨城県立中央病院臨床研究発表実績まとめ

Q&A

  • 放射線治療中に痛みなどの苦痛はありますか?
    体外からの放射線治療(外部放射線治療)では、治療中には痛みや熱さを感じることはありません。密封小線源治療では、治療器具の挿入時に痛みがありますので、鎮静剤や鎮痛剤を用いることがあります。
  • X線治療と陽子線治療の違いは何ですか?
    X線も陽子線も放射線の仲間です。陽子線治療は炭素線治療とともに粒子線治療と呼ばれ、X線と比べて体内の線量分布が優れているのが特徴です。がんの種類や大きさ、正常臓器との位置関係によっては、X線よりも粒子線が治療法として優れている場合があります。当院では、筑波大学と連携して陽子線治療外来を開設していますので、陽子線治療をご希望される患者さんに対しても、適切に対応しています。
  • どれくらいのがん患者が放射線治療を受けているのですか?
    日本では2017年の新規放射線治療患者数は推定で約23万人、全がん患者の約25%でした。欧米では全がん患者の50%以上が放射線治療を受けているというデータがあります。国によってかかりやすいがんの種類が異なりますが、日本では放射線治療の普及と啓蒙がまだ足りていないのが現状です。

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