当科の特色

部長
玉田 崇和
(たまだ たかかず)

体表に関するお悩みがありましたら、ご相談ください。


 「形成外科ってどんな科ですか?」とのご質問をよく受けます。確かにどういった疾患を専門に扱う診療科であるかわかりにくく、医療者であっても十分な返答をできる人はなかなかいません。形成外科は主に体の表面を扱う外科、「体表外科」です、とお答えしています。日本形成外科学会ホームページでは、「形成外科とは、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して、あらゆる手法や特殊な技術を駆使し、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくすることによって、みなさまの生活の質 “Quality of Life” の向上に貢献する、外科系の専門領域です。」と紹介されています。
 日本において形成外科学会は発足してまだ 60 年足らずの若い診療科ですが、世界的にはその歴史は古く、起源は紀元前に遡ります。古代インドにおいて罪人が鼻を削がれる刑罰があり、おでこの皮膚を使って鼻を再建する造鼻術が行われていたようで、これが形成外科手術の起こりと言われています。その後、16 世紀のルネッサンス期に花開き、手術器械の開発、様々な術式の考案、顕微鏡手術の開発を経て、現在に至ります。
 具体的には皮膚のケガ、熱傷、顔面骨骨折、外表の先天異常、でべそ、良・悪性腫瘍とそれに伴う再建、乳房再建、きずあと・ケロイド、難治性潰瘍、眼瞼下垂、陥入爪、腋臭症など、さまざまな疾患を対象としています。(現在、小児病棟のない当院では小児先天異常の手術は行えておりません。また、美容手術も基本的には行いません。)
 当院における形成外科の特色は、皮膚悪性腫瘍手術、頭頸部悪性腫瘍の再建手術、人工物を使った乳房再建手術、人工透析のための血管手術が多いことです。それぞれ、皮膚科、耳鼻科・口腔外科、乳腺外科、透析センターが当院において充実しているためであり、形成外科は他科との連携で成立する診療科と言えます。体表に関するお悩みがありましたら、ご相談ください。

スタッフ紹介


部長
玉田 崇和
(たまだ たかかず)

専門領域
  • 形成外科
所属学会・専門医等
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本創傷外科学会
  • 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
    (乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師)

医員(専攻医)
岡田 朋之
(おかだ ともゆき)

専門領域
  • 形成外科
所属学会・専門医等
  • 日本形成外科学会
  • 日本頭蓋顎顔面外科学会

(非常勤医師)
筑波大学形成外科学教授
関堂 充



(せきどう みつる)

専門領域
  • 形成外科
所属学会・専門医等
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本形成外科学会 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • 日本創傷外科学会 専門医

主な対象疾患・治療法

 形成外科とは、からだの表面を全般的に扱う外科です。皮膚のできものや傷の治療が中心となります。その他、顔の傷あとや、ワキガ、眼瞼下垂(まぶたが下がる症状)などの治療も行っております。美容外科でなくとも当科にて保険診療内で治療できるものも多くあります。ご相談ください。

日本形成外科学会では形成外科で扱う疾患を以下の11の分野に分類しています。

  1. 新鮮外傷,新鮮熱傷(やけど)
  2. 顔面骨骨折および顔面軟部組織損傷
  3. 唇裂・口蓋裂
  4. 手,足の先天異常,外傷
  5. その他の先天異常(陥没乳頭、臍ヘルニア、漏斗胸、尿道下裂など)
  6. 母班,血管腫,良性腫瘍
  7. 悪性腫瘍およびそれに関連する再建(頭頸部再建、乳房再建など)
  8. 瘢痕(傷あと),瘢痕拘縮,肥厚性瘢痕,ケロイド
  9. 褥瘡(床ずれ),難治性潰瘍
  10. 美容外科
  11. その他(眼瞼下垂症、腋臭症、毛巣洞、陥入爪、透析用の内シャントなど)

 特に皮膚腫瘍に関しては、皮膚科と連携して診断、手術を行っています。また、当院は筑波大学形成外科の教育関連施設であり、大学とも連携して診療を行っています。顔面瘢痕、乳房再建、腋臭症(ワキガ)、加齢性眼瞼下垂など保険のきく手術も多くありますので、ご希望の方はご相談ください。

診療実績

令和4年度の実績

症例手術件数
外傷
(手の外傷、顔面骨骨折、体表の挫創、熱傷の植皮など)
58
先天異常
(耳介の先天異常など)
2
腫瘍
(良性・悪性皮膚腫瘍切除、頭頸部再建、乳房再建など)
263
瘢痕、瘢痕拘縮、ケロイド9
難治性潰瘍20
炎症・変性疾患11
その他
(内シャント、上腕動脈表在化、眼瞼下垂)
73
合計436

臨床研究

形成外科臨床研究発表実績

茨城県立中央病院臨床研究発表実績まとめ

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