栄養管理科について
理念
私たちは患者さんの立場にたって、最新の研究成果に基づく、最良のこころある食事サービスと栄養ケアを提供します。
基本方針
- 栄養管理科理念を具体化し、目に見える形でのサービスを積極的に行う。
- 質の向上と業務の合理化・無駄の削減などを進めるとともに、関係部門との協力体制を築き、当科が果たせる役割を積極的に担う。
- 管理栄養士・栄養士・調理師などの専門職の育成を積極的に行う。また、教育機関などからの実習要請は、積極的に受け入れる。
- 施設の改修や設備の導入、食材選定に際しては、環境への影響も配慮する。
スタッフ構成 ※令和6年5月現在
科長 | 鈴木 幸江 管理栄養士 |
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副科長 | - |
管理栄養士 | 10名(会計年度任用職員2名含む) |
認定資格
栄養サポートチーム専門療法士 | 鈴木 幸江、窪田 理恵 |
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糖尿病療養指導士 | 窪田理恵、海老澤 朋華、髙畑雅子 |
人間ドック健診情報管理指導士 | 鈴木 幸江、前田 佳織、窪田 理恵 |
TNT-D認定管理栄養士 | 田口 孝 |
病態栄養管理栄養士 | 野崎 貢 |
がん病態栄養管理栄養士 | 野崎 貢 |
業務内容
入院中の患者様へのお食事の提供
1.食事時間
朝食7:30,昼食12:00,夕食18:00に温冷配膳車を使用して温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、適温でお届けしています。
2.食事内容
食事の種類は大きく分けて「一般食」「治療食」「嚥下調整食」があります。全155種類の食事で患者様に適した食事の提供に努めています。
「一般食」は、特別な栄養の制限はありません。バランスのいいお食事になっています「常食」を召し上がっている患者さんには、水曜日・木曜日・金曜日の夕食に選択食を実施しています。
「特別食」では、エネルギーやたんぱく質、脂質、塩分、カリウムなどを患者さんの病状にあわせて調節して提供しています。
「嚥下調整食」は「噛みにくい」、「飲み込みにくい」など、その方の状態に合わせた形態で提供しています。
食事の種類
一般食 | 常食、軟食、分粥食(5分・3分)、流動食、妊婦食、産婦食、陣痛食、学童食、幼児食 |
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治療食 | 塩分エネルギーコントロール食、エネルギーコントロール食、透析食、たんぱく質・塩分コントロール食、脂肪コントロール食、術後食、易消化食等 |
嚥下食 | 嚥下開始食、嚥下Ⅰ食、嚥下Ⅱ食、嚥下Ⅲ食、嚥下Ⅳ食 |
3.行事食等
「行事食」については入院中であっても、季節や楽しみを感じていただけるよう提供しています。
出産のお祝い膳として、笠間市の特産物を取り入れた「ゆりのき御膳」をご提供しております。
主菜は肉料理(牛肉のハーブ風味)魚料理(魚のアクアパッツア)から選択できるようになっています。
「ゆりのき御膳」
また、食欲不振の患者様のために、通常よりも量を抑え、食べやすいように配慮した「ミニ御膳」の提供を行っています。
「ミニ御膳」
栄養ケアサービス
1.入院中の栄養計画について
入院患者様の栄養状態を低下させないように、栄養管理計画書を作成し栄養ケアを実施しています。入院中に病気の影響や治療の副作用などで食欲が落ちてしまうことがありますが、管理栄養士がベッドサイドまで伺い、食べやすい料理や食事形態の調整、付加食の提案を行っています。
2.栄養相談
①個別栄養相談
入院中または外来に通院されている患者様を対象に栄養相談を行っています。
入院では各疾患別に応じた指導や手術後の指導などを行っています。
外来では主に糖尿病や腎臓病、手術前の栄養状態の改善のための指導などを行っています。
月~金曜日の祝日を除く毎日実施しています。電話による栄養相談も実施しています。
予約制となっておりますので、主治医にご相談ください。
また、かかりつけ医療機関からの依頼に基づく地域連携栄養指導も行っています。
食事時間が不規則、外食が多いなど食生活が乱れている方、高齢者の一人暮しなどバランスよく食事を食べることが難しい方など生活環境や年齢に合わせた指導を行うようにしています。
②集団栄養指導
循環器教室、糖尿病教室、膵がん教室を実施しています。
チーム医療への参画
1.NST(栄養サポートチーム)
医師、歯科医師、摂食嚥下障害看護師、薬剤師、言語聴覚士、臨床検査技師と協働し各病棟週1回の回診とカンファレンスを行っております。
患者様一人ひとりに合わせた、より良い栄養方法や内容を検討し栄養状態の改善を図ります。
また、日本栄養治療学会の認定を受け、NST専門療法士の資格取得のためのメディカルスタッフへの臨床実地修練を行っています。
2.糖尿病ケアチーム(DCT)
外来で医師、看護師と協働し、糖尿病透析予防管理指導を行っています。患者さんの栄養状態を把握し、食生活や生活習慣も考慮しながら、少しずつでも実践できるような提案や指導を心がけています。糖尿病教室も行っています。
3.摂食嚥下チーム
嚥下外来での嚥下造影検査(VF)、嚥下内視鏡検査(VE)の検査食の提供をしています。毎週のカンファレンスに参加し、「食べる・飲み込む」のサポートをしています。
令和5年度実績
患者さんの立場に立って、最良の心ある食事サービスと栄養ケアを提供しました。※給食業務委託 調理・洗浄等
1.食事サービス
食事は、常食、軟食、分粥食、流動食、嚥下食、エネルギー・塩分コントロール食、透析食、たんぱく質・塩分コントロール食、高たんぱく食、脂肪コントロール食、易消化食、術後食、低残渣・低脂肪食に群分けされており、105種類あります。その他、アレルギー対応食や加熱食、待ち食、お祝い膳、食欲不振対応食、各種経管栄養剤があり、患者さんの病状に合わせて提供しました。
総食数 | 一般食 | 嚥下食 | 治療食 | 経管栄養 |
---|---|---|---|---|
278,943(食) | 148,146 | 24,804 | 85,975 | 20,018 |
100% | 53.1% | 8.9% | 30.8% | 7.2% |
なお、個別対応が必要な患者さんの割合は56.8%でした。
2.栄養管理計画書の作成
入院患者さんの栄養管理計画書を作成し、よりよい栄養管理が提供できるよう取り組みました。入院診療計画書において、特別な栄養管理の有無にかかわらず栄養管理計画書を作成しました。
入院数 | 特別な栄養管理の必要性「有」 | 必要性「無」 | |||
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栄養状態良好 | 中等度栄養不良 | 高度栄養不良 | 過栄養 | ||
9,634 (100%) | 1,941人 (20.1%) | 2,960人 (30.7%) | 636人 (6.6%) | 199人 (2.1%) | 3,893人 (40.5%) |
3.栄養食事指導
栄養食事指導が必要な患者さんに実施しました。
個別栄養指導(人) | 集団栄養指導(人) | |||||
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入院 | 外来 | 計 | 循環器教室 | 糖尿病教室 | 膵がん教室 | 計 |
866 | 1,799 | 2,665 | 209 | 27 | 7 | 243 |
訪問栄養指導(人) | 糖尿病透析予防指導管理(人) | 地域連携栄養指導(人) | 情報通信機器栄養指導(人) |
---|---|---|---|
25 | 300 | 17 | 50 |
4.入院前支援センターでの栄養評価及び栄養食事指導
入院前支援センターにおいて、手術予定の患者さんの栄養状態の評価を行い、栄養状態の改善が必要な患者さんについては、医師の指示のもと栄養指導を実施し、術前の栄養状態の改善に取り組みました。
- 入院前支援センターでの栄養評価件数
1,409件(栄養指導件数含) - 入院前支援センターでの栄養指導件数
635件(個別栄養指導件数再掲)
5.入院患者病室訪問
入院時に患者さんの栄養状態を確認し、入院中病室を訪問し、食事の摂食状況、栄養状態及び栄養量等を考慮し、食事の形態変更や付加食提供等の対応をしました。
- 入院患者病室訪問件数 延1,883人
6.栄養サポートチーム(NST)活動
栄養サポートチームの主要構成員として主体的に活動し、患者の栄養改善を図るとともに治療の奏功に努めました。(活動実績は「栄養サポート室」を参照)
7.チーム医療への参画
- 褥瘡管理専門委員会:
週1回カンファレンスに参加し、多職種での情報共有、治癒促進のため、栄養補給方法・提供栄養量の検討を行いました。 - 糖尿病ケアチーム:
多職種と連携し、糖尿病連絡会議への出席、外来での糖尿病透析予防指導、糖尿病月間のイベントの実施、2023年6月からは糖尿病教室を再開しました。 - 摂食嚥下支援チーム:
週1回のカンファレンスに参加し、多職種で情報共有し、摂食嚥下の状態・栄養補給方法について検討を行いました。 - 緩和ケア:週1回カンファレンスに参加し、多職種での情報共有。各症状に応じて食事調整等検討を行いました。
8.栄養管理士等学生の臨地実習指導
将来を担う専門職学生の育成を積極的に実施しました。
管理栄養士 | 栄養士 | 調理師 | 総数 | |
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人数 | 14 | 0 | 0 | 14 |
時間 | 1,120 | 0 | 0 | 1,120 |
9.食欲不振等対応食の提供
食欲不振や嗜好の変化等により、通常の食事を食べることが難しい患者さんのため、通常の食事よりも量を抑え、食べやすいように配慮した食事「ミニ御膳」の提供を行いました。食事は毎週木曜日の昼食時、PCU病棟の患者さんへ提供しました。
●ミニ御膳提供数115食
10.看護教育支援
県立中央看護専門学校において、科目「看護栄養学」について7回、「チーム医療」について1回講義を行いました。