当科の特色
部長
麻酔科部長
手術部長
山崎 裕一朗
(やまさき ゆういちろう)
集中治療科では、「病棟で重篤な症状を表した患者」 「救急患者のうち継続的な状態管理が必要な患者」 「手術後に高度な状態管理が必要な患者」 など急性期の重症患者を入室させて、その管理を集中治療科医師は、主治医とともに診ています。
ただし、2020年春以降、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の疑い患者の中等症以上、および重症患者さんを入室させる病床として運用しているため活動は制限されています。
認定施設
日本集中治療医学会専門医研修施設
スタッフ紹介
部長
麻酔科部長
手術部長
山崎 裕一朗
(やまさき ゆういちろう)
呼吸器センター長
呼吸器外科部長
医療局長
入院サポートセンター長
清嶋 護之
(きよしま もりゆき)
麻酔科部長
萩谷 圭一
(はぎや けいいち)
消化器外科部長
川崎 普司
(かわさき ひろし)
救急科部長
関根 良介
(せきね りょうすけ)
麻酔科部長
(周術期管理担当)
副入院サポート
センター長
横内 貴子
(よこうち たかこ)
麻酔科医員
我那覇 卓
(がなは たくみ)
麻酔科医員
町田 大二
(まちだ だいじ)
麻酔科医員
河村 彰久
(かわむら あきひさ)
麻酔科医員
角田 健太
(つのだ けんた)
麻酔科医員(専攻医)
小野 晴香
(おの はるか)
麻酔科医員(専攻医)
生越 知樹
(おおせ かずき)
(非常勤医師)
新里 恵美菜
(にいさと えみな)
専門領域
- 臨床麻酔
所属学会・専門医等
- 日本麻酔科学会 認定医・専門医
- 日本心臓血管麻酔学会 周術期経食道心エコー認定医(JBPOT)
- 日本集中治療医学会
- 日本ペインクリニック学会
- 日本臨床麻酔学会
(非常勤医師)
植田 裕史
(うえだ ひろし)
専門領域
- 臨床麻酔
所属学会・専門医等
- 日本麻酔科学会 認定医・専門医
主な対象疾患・治療法
集中治療は、1952年デンマークでポリオが大流行し多くの呼吸不全患者が発生した際に、麻酔科医Ibsenが、気管切開下の患者を交代でバッグ換気を長時間行うことで生命を維持する当時としては革新的な人工呼吸法により、死亡率を激減させたことに始まり、1953年(県立中央病院の前身である県立友部療養所の出来るわずか3年前)世界ではじめてコペンハーゲンの市民病院に集中治療室が開設されたことに始まる非常に歴史の浅い診療科です。
当院の集中治療部は、2007年に開設され、2012年救急センターの集中治療部が日本集中治療医学会の専門医研修施設に認定されたことをきっかけに新たな診療科として誕生しました。
集中治療医学とは,外科系および内科系疾患を問わず,呼吸,循環,代謝,脳神経系などの重篤な臓器不全に対して,強力かつ集中的な治療とケアを行うことで臓器機能を回復させ重症患者を救命することを目的としています。当院は各診療科の担当医が指示を書く権限を持つOpen ICUと言われる形態ですが、平成28年度からは平日の日中は、原則として集中治療専門医もしくはそれを目指す医師が、休日夜間は重症患者管理に比較的慣れた外科・麻酔科・総合診療科・脳外科の医師が24時間体制でICUの病棟担当医として勤務しています。
また、集中治療室として栄養管理に関する国際調査に参加することなどにより、早期経腸栄養の開始への啓蒙や早期離床を通じて早期リハビリテーションへつなげる活動などを行っています。
当院は地域がんセンターという特徴があり、比較的大きな手術を行う症例が多いことから、術後の患者さんの占める割合が多くなっていましたが、現在はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の疑いの患者さんで中等症以上の患者さんと重症のCOVID-19患者さんの入る病床となっているため患者さんの数は非常に波が激しいです。
診療実績
実績
入院患者背景
令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | |
---|---|---|---|---|---|
外科 | 252 | 44 | 57 | 130 | 279 |
脳外科 | 54 | 22 | 83 | 14 | 10 |
総合診療科 | 56 | 16 | 20 | 4 | 0 |
その他内科 | 39 | 122 | 311 | 125 | 82 |
その他外科 | 33 | 15 | 34 | 38 | 170 |
総患者数 | 434 | 219 | 505 | 311 | 541 |
令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | |
---|---|---|---|---|---|
救急 | 166 | 190 | 470 | 167 | 147 |
予定・待機手術 | 212 | 6 | 2 | 113 | 366 |
院内急変 | 56 | 23 | 33 | 31 | 28 |
令和5年度
病床年間稼働率 | 75.7% |
---|---|
医療・看護必要度(特定集中治療室) | 86.7% |
平均在室日数 | 3.0日 |
臨床研究
集中治療科の医師の業績は併任している麻酔科、救急科、外科のページをご覧ください。
患者さまのご家族へ
集中治療部について
集中治療部では、原則として院内の最重症の患者さんや最も複雑な治療や看護が必要な患者さんに入室して頂いています。6床のみの運用ですので、急にもっと重症の患者さんが発生した場合には、夜間などにも違う病棟に転棟して頂く場合があります。御理解と御協力をお願い致します。
面会について
- 集中治療部では、面会者を原則として御家族のみとさせて頂いています。その他の方の面会を希望される際は、看護師にご相談下さい。
- お子様・風邪を引いている方はご遠慮ください。
- 面会時間の目安は、10時から19時ですが、御家族の都合や患者さんの状態でこの時間以外にも対応可能です。ご相談下さい。一回の面会時間の目安は30分程度ですが、これに関してもご相談下さい。
- 患者さんの処置中等の場合、少しお待ち頂く場合があります。ご理解の程お願い致します。
- 面会時は、面会証を持参してください。
当科の取り組み
集中治療医学は、現代の医学の中でまだまだ歴史の浅い学問体系で、国際的には一部の国でようやく独立した診療科として認識されつつある専門領域です。しかし、集中治療医がすべての集中治療部の患者さんを診察するClosed ICUならびにMandatory critical care consultation と呼ばれるOpen ICU(High intensity model)の方が集中治療医の関わりの低いICUに比べ、ICU死亡率(オッズ比0.61)病院死亡率(オッズ比0.71)が低く、入院日数も短いことがすでに示されています。当院では朝の始業前に集中治療科医師、主治医、NST医師および看護師による回診を行い、また午前中に行われるカンファランスにも集中治療科医師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士が加わることにより、より質の高い集中治療ができるように努力していると共に、質の高い早期離床・リハビリテーションができるよう日々努力しています。
茨城県は人口に対し医師数自体も少ないですが、医師に対する集中治療を専門にする医数の割合も少なく、その結果として集中治療専門医数は人口に対して非常に少ない状況にあります。そのような状況の中、平成28年度からは集中治療をサブスペシャリティとした医師が新たに赴任したことにより、平日は集中治療専門医もしくはそれを目指す医師が常駐する体制となりました。令和元年度には1床あたりの面積が20m2以上になるように改装され、臨床工学技士の当直体制が整うと今後特定集中治療室1としての体裁が整うことになります。今後さらに研修医などに集中治療医学の魅力を伝え、若手の医師を育て、近い将来Closed ICUとして診療をしていけるような努力をするとともに、これまで以上に多くの学会・研究会での発表や参加を通じて最新の知見を取り入れる努力をしていきます。