精神科リエゾンチームについて

 精神科リエゾンチームとは、入院中の患者に対し、身体医療と精神医療をつなぎ、患者への包括的な医療をめざして、担当各科の医師や看護師と「連携」しながら精神科専門医療を提供するチームです。

主な活動内容

  1. 院内コンサルテーション
    (精神疾患を有する患者、身体疾患に伴う様々な精神症状を有する患者(せん妄・抑うつ・不眠)へのサポート)は必要に応じて連絡をいただき対応
  2. 常勤医は原則毎週全員を回診
  3. 必要な専門家への橋渡し
    (転院・他医療機関へ繋ぐ、他医療機関からの紹介)
  4. 週1回、多職種
    (当院精神科医師・リエゾン看護師・薬剤師・ソーシャルワーカー)でカンファレンスを開き、対応について共有
  5. 週1回、産科カンファレンスに参加
    (妊産婦対象、助産師と情報交換)
  6. 精神科外来での診療補助
  7. 病棟に出向いて、病棟スタッフを含めた多職種とカンファレンスを行い、精神疾患患者への対応について検討
  8. 精神看護の相談
    (ケア方法、退院調整、妊産婦など)
  9. 認知機能評価(看護)
  10. こころの医療センター連携
    (リエゾン回診、こころの医療センター中央病院連絡会)
  11. 行政(市町村、保健センター)連携

実績

令和5年度

 リエゾンコンサルテーション件数は、令和4年度439件、令和5年度467件という結果でした。また、再診件数は令和4年度1,172件、令和5年度1,276件でした(図1参照)。コンサルテーション件数と再診件数は、ともに年々増加しています。その理由として、入院患者の高齢化に伴い認知症や認知機能低下のある患者が多いこと、せん妄ハイリスク患者の入院が多いことが要因であると考えられます。精神科リエゾンチーム加算の内訳をみても、せん妄で介入するケースが非常に多く、身体症状の変化とともに患者の観察や内服の微調整が必要なため、回診件数も増加したと考えられます。(図2参照)。精神科リエゾンチーム加算は、令和5年度は793件、週平均15.3件(週15件迄 図3参照)、精神科診療体制加算2は36件取得することができました。また、7月よりせん妄患者の多い3西病棟で毎月1回カンファレンスを開催し、情報共有やせん妄ケアの見直しを行うことができました。それ以外にもHCU病棟でのケアの振り返りや院内での安全管理について医療安全管理対策室と話し合いを行いました。せん妄ケアの勉強会は3西、5東、5西病棟で行いました。今後、身体的拘束最小化チームでの活動が開始となり、指針の見直しやチーム活動の内容の検討をしています。

周産期メンタルヘルスについては、前年度に引き続き、精神科外来受診や産科カンファレンスに参加し、産前から出産まで産科患者の精神科介入をしています。令和5年度は要支援妊産婦会議が年3回、要保護児童対策地域協議会に1回参加し、地域(市町村、保健センター)と連携し、安心して出産ができるよう個別性に応じたケアを提供することができました。

こころの医療センターとの合同回診は、現在中断となっていますが、こころの医療センターの高橋医師の回診は継続しており、転院時には高橋医師の診察状況を踏まえ、こころの医療センターと連絡をとり、転院がスムーズにいくようにしています。こころの医療センター連絡会は、年2回開催され、情報交換や検討事項の協議を行い、良好な関係づくりに努めています。

コンサルテーション年度別件数
令和5年度精神科リエゾンチーム加算内訳