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診療科

専門センター等

部門・活動

皮膚科 (Dermatology)

医師名 専門領域 所属学会・専門医等
部長
狩野 俊幸
(かのう としゆき)

○皮膚悪性腫瘍診断
○皮膚病理診断
○乾癬、アレルギー疾患
○レーザー治療を含む
 美容皮膚科

日本皮膚科学会 専門医・代議員(医療問題検討委員)

日本臨床皮膚科学会 会員
日本がん治療認定医機構 暫定教育医

医員

斎藤 小弓

(さいとう こゆみ) 

○皮膚科 日本皮膚科学会

医員(専攻医)

矢口 望

(やぐち のぞみ) 

○皮膚科  

(非常勤医師)

ときわクリニック院長

鈴木 正之

(すずき まさゆき)

○皮膚科 日本皮膚科学会 専門医

診療科の特色,対象疾患,治療法,症例数,治療成績など

  1.診療科の特色

 皮膚疾患の主要症状である皮疹を、視診・触診に加え10 倍ルーペやダーモスコープを用いて詳細にとらえ理論的に分析し、悪性病変が疑われる場合はもとより炎症性疾患に対しても生検を積極的に行い、病理組織像をふまえた正確な診断をつけ、治療に結びつけるよう努力しています。皮膚外科については形成外科と密接な連携のもと、最適な切除・再建ができるようにしています。

2.対象疾患・症例数 

 皮膚皮下組織に症状が出現する疾患はすべて取り扱います。膠原病・血管炎など、皮疹が全身性疾患の主要症状である場合もあります。外傷に関しては手指・顔面といった機能・容貌を特に重視しなければならない部位の挫創・熱傷にも対応します。

 手術は皮膚科医、形成外科医の緊密な連携のもと、正確な診断、適切な切除、術後の美的・機能的な要素も重視して、早期癌を含め可能な限り外来で行うようにしています。平成29年度、皮膚科単独の年間手術件数は61件で、主な内訳は、皮膚皮下腫瘍摘出40件、皮膚悪性腫瘍摘出10件、陥入爪2件などです。疾患の種類、病変の部位によっては、炭酸ガスレーザーを使用し、メスを使わず縫合しない手術を行うこともあります(平成26年1月から新機種稼働、平成29年度は10件施行)。なお、平成26年4月1日付で悪性黒色腫に行うセンチネルリンパ節加算の施設基準を満たしました。

 レーザー治療に関しては、扁平母斑、太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着、老人性色素斑など色素沈着性疾患については、メラニンをターゲットとしたQスイッチ付アレキサンドライトレーザーによる治療(平成29年度年間照射件数68件、自費疾患もあり)を中心に、炭酸ガスレーザー、内服薬、ハイドロキノン外用剤などを組み合わせて引き続き良好な結果を得ています。

 平成21年度より最新型のパルス幅可変式ロングパルスダイレーザー(V beam perfecta)を導入し、単純性血管腫、いちご状血管腫、毛細血管拡張症、酒さといった疾患に対して、レーザー光をヘモグロビンに吸収させ拡張血管を破壊する治療を開始しています。パルス幅固定式の従来機と違い、血管径に合わせたパルス幅(照射時間)を設定できるため治療効果が高く、また、レーザー照射直前に皮膚を保護する冷却ガスが噴霧されるため、照射エネルギーを上げても熱傷の危険が少なく、照射時の痛みも軽減されます。平成29年度の年間照射件数は64件でした。

 紫外線治療に関しては、ソラレンとUVAを組み合わせた従来のPUVA療法に代わり、平成21年度末にナローバンドUVB照射器、さらに29年度に全身型照射器を導入し、乾癬、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎、尋常性白斑、菌状息肉症を始めとした皮膚悪性リンパ腫などに対する治療がより効率的に行われるようになりました。平成29年度の年間照射件数は589件で、昨年度に比べ倍増しています。

 乾癬の治療については、ここ数年来、生物学的製剤(TNFα阻害剤、IL-12/23阻害剤、IL-23阻害剤、IL-17A阻害剤、IL-17受容体阻害剤)の登場により、従来は治療困難であった関節症性乾癬、膿疱性乾癬、重症乾癬患者に対して、有効性を維持しながら安全に治療を行うことが可能となりつつあります。当院は「日本皮膚科学会による生物学的製剤承認施設」となっており、既に20件を超える加療を行っています。

 アトピー性皮膚炎では、普通の生活ができるようにコントロールすることに主眼をおき、アレルギー的側面ばかりでなく、症状の悪化や感染症併発の原因となる皮膚のバリア障害を改善するため、スキンケアの必要性を十分に説明しています。重症患者には新規の抗体製剤であるIL-4/13受容体阻害剤の使用を予定しています。

 皮膚疾患の1/3以上を占める湿疹性病変に対しては、パッチテストなどで可能な限り原因を突きとめるようにしています。また、様々な皮膚感染症も見落とすことがないよう、疑われれば顕微鏡検査、培養検査などを施行しています。

 平成20年度から、通常の治療に反応しにくいざ瘡に対して、学会ガイドラインでも推奨されているグリコール酸によるケミカルピーリングを本格的に導入していますが、引き続き良好な結果が得られています。(平成29年度年間施行件数45件、自費)

3.主要な疾患の治療成績

1)皮膚の悪性腫瘍

 皮膚の悪性腫瘍には様々な疾患がありますが、頻度が多い疾患は、有棘細胞癌、基底細胞癌および悪性黒色腫です。さらに、有棘細胞癌の早期病変として、前駆症の一つである日光角化症、上皮内癌の一型であるボーエン病がよく遭遇する疾患です。皮膚の悪性腫瘍の臨床的な特徴は、患者さんの目にも触れることが多いため早い時期に受診し、早期に対処できる機会が多いということです。とは言え、鑑別すべき良性疾患、炎症性疾患は多数あり、いかに疑う目を持ち鑑別できる技術を備えているかがポイントといえます。皮膚悪性腫瘍について、平成28 年度に新規に対応した件数を表1に示します。約半数は県央地区の皮膚科開業医からの紹介例で、病診連携の重要さを実感します。早期に確実に診断することは治療成績に直結し、過去5 年間を振り返っても、腫瘍死した症例は悪性黒色腫の進展例を除きありません。

表1 主要な皮膚悪腫瘍(平成29年度)

  症例数
有棘細胞癌 15例
日光角化症 8例
ボーエン症 12例
基底細胞癌 12例
悪性黒色腫 4例
乳房外パジェット病 1例
その他 9例

2)皮膚色素沈着性疾患に対するレーザー治療

 皮膚の有色病変に対するレーザー治療の原理は、レーザー光がメラニン顆粒やヘモグロビンなどの有色物質に選択的に吸収され、吸収した物質およびこの物質を含む細胞あるいは目的とする周囲組織のみが破壊されることにあります。この選択的な作用によりランダムな周囲組織の損傷を抑制でき、治療効果とともに瘢痕形成に対する安全性も優れたものとなっています。現在当科で使用している機器はQスイッチ付アレキサンドライトレーザーとパルス幅可変式ロングパルスダイレーザー(V beam perfecta)で、前者は主にメラニンをそのターゲットとしています。皮膚の色素沈着性疾患には様々なものがあり、治療の効果は疾患ごと、さらには症例ごとに一様ではありませんが、照射件数が最も多い疾患は老人性色素斑です。1か月以上経過を観察できたこれらの症例について治療結果の概略を示しますと、著効(色調が健常皮膚とほぼ同程度となった)3割、有効(色調が著しく改善あるいは面積が縮小し患者が満足している)5割、やや有効(診察者側から見て色調が少しでも改善した)2割、でした。無効や悪化の例はありませんでした。レーザー照射後は、程度に個人差はあるものの炎症後色素沈着が必発で、これは時間とともに軽減します。従って、経過観察期間をさらに長くできれば、実際の結果はさらに優れたものであることが予想されます。

※年に3回,近隣の先生方からご紹介を頂いた患者さんについての臨床病理組織検討会を開催しておりますので,興味のある先生方はぜひお問い合わせ下さい。
※日本皮膚科学会認定専門医一般研修施設となっています。

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