放射線技術科について

 県立中央病院における放射線技術科は、医療局医療技術部に属して、全診療科に対する医療画像の提供や放射線治療を、また原子力災害医療対応時の放射線取り扱いの専門家として、原子力災害医療のサポート等を行っています。

 診療放射線技師は、最新の画像診断機器、放射線治療機器を屈指し、より安全で精度の高い検査・治療が行えるよう、機器の特性を十分に活かした検査と専門医による質の高い放射線診療を提供しています。また、「断わらない救急」を支えるため、夜間2名、土日祝日勤2名、待機者1名で対応しています。

 放射線治療では、都道府県がん診療連携拠点病院として、最新の治療装置や治療計画装置が設置されており、充実したがん診療に寄与できるよう心がけています。

 医療機器の技術進歩は目覚ましく、診療放射線技師も高いスキルが要求されます。我々は、日々の臨床における技術の習得はもとより、各種学会や研修会、勉強会等にも積極的に参加し、技術の向上に努めています。また様々な専門資格の取得を支援し、そのフィードバックによってさらに質の高い医療の提供を目指しています。

放射線技術科の理念(日本診療放射線技師会綱領を参照)

1. わたくしたちは、医療を求める人々に奉仕します。
  We will render our services to those in need of health care.

1. わたくしたちは、チーム医療の一員として行動します。
  We will act as individual members of a health care team.

1. わたくしたちは、専門分野の責任をまっとうします。
  We will perform our duties in our field of specialty. 

1. わたくしたちは、人々の利益のために、常に学習します。
  We will continue to study for the benefit of mankind.

1. わたくしたちは、インフォームド・コンセントを尊重し、実践します。
  We will respect and practice the policy of informed consent.

放射線技術科スタッフ構成

  • 39名(診療放射線技師31名 医学物理士2名 受付(会職)5名)
  • 放射線技術科長 飯田 修一
  • 副放射線技術科長(MR・核医学部門) 小泉 正美 以下、7名
  • 副放射線技術科長(放射線治療部門)河島 通久 以下、10名(医学物理士2名)
  • 副放射線技術科長(CT・血管撮影部門)山田 公治 以下、8名
  • 副放射線技術科長(一般撮影部門) 宮本 恵一 以下、7名

取得国家資格及び認定資格

  1. 国家資格・第一種放射線取扱主任者
    ○生駒 英明 中庭 理 相澤 健太郎 古山 良延 浅野 佑斗
  2. 国家資格・第二種放射線取扱主任者
    河島 通久
  3. 認定・医学物理士(医学物理士認定機構)
    ○篠田 和哉 ○古山 良延 河島 通久 生駒 英明
  4. 認定・放射線治療専門放射線技師(日本放射線治療専門放射線技師認定機構)
    ○清水 誠 古山 良延
  5. 認定・放射線治療品質管理士(放射線治療品質管理機構)
    ○河島 通久 生駒 英明 清水 誠 篠田 和哉 古山 良延
  6. 認定・検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師(日本乳がん検診精度管理中央機構)
    ○高坂 倫江 ○加藤 美穂 ○北島 香奈 ○古橋 愛海 ○山田 絢香 島田みのり
  7. 認定・救急撮影認定技師(日本救急撮影技師認定機構)
    ○鈴木 あゆみ ○髙坂 倫江
  8. 認定・血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師(日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師認定機構)
    ○鈴木 あゆみ ○髙坂 倫江 古橋愛海
  9. 認定・X線CT認定技師(日本X線CT専門技師認定機構)
    ○鈴木 あゆみ ○石塚 亘 ○古橋 愛海
  10. 認定・肺がんCT検診認定技師(肺がんCT検診認定機構)
    ○町田 直希
  11. 認定・放射線管理士(日本診療放射線技師会)
    ○町田 直希 ○倉田 悟至
  12. 認定・放射線機器管理士(日本診療放射線技師会)
    ○町田 直希 ○倉田 悟至
  13. 認定・核医学専門技師(日本核医学専門技師認定機構)
    ○倉田 悟至
  14. 認定・医療画像情報精度管理士(日本診療放射線技師会)
    ○倉田 悟至

各部門紹介

一般撮影部門

 一般撮影部門は、胸腹部撮影や整形外科領域等単純撮影、胃や大腸等の消化管撮影、乳房撮影、歯科領域の撮影、骨密度測定、術中術後撮影などを行っています。その業務は、比較的練度の簡素な単純撮影から専門的な消化管撮影や乳房撮影等までを担っています。
 このため、日々勉学を行う若手技師のほか他のモダリティや各診療科と連携可能な熟練した技師を配置しています。また、乳房撮影は認定を有する女性技師が撮影を行い、生検は各部門に分散配置された女性技師が業務を調整して、乳腺外科医師と対応しています。ほかにも院内外に画像をDVD等に焼き込むなど情報系業務を受付と協力して担当しています。以上、一般撮影部門は、深浅かつ広範な領域の撮影を担っています。

CT・血管撮影部門

 CT・血管撮影部門ではCT検査・血管造影検査・救急センター業務を担当しています。

 CT装置は3台(本館に2台、救急センターに1台)稼働しています。近年、CT装置を新しく導入し、従来のCT検査と比較し半分以下の被ばく線量での検査が可能になりました。また、2管球を搭載し、各管球から異なるエネルギーのX線を同時に照射するDual Energy撮影機能を有するCT装置を導入し、手術などで体内の検査範囲内に金属が入っている場合、金属アーチファクトが発生し診断の妨げになっていましたが、このCTでは金属アーチファクトを補正することができ、診断能を大幅に向上させることができております。

 血管造影装置は3台(本館に2台、救急センターに1台)稼働しています。うち1台は県内でも導入の少ないIVR-CTとなっており、より正確な診断・治療が可能です。血管造影検査=IVR(Interventional Radiology)は日本語訳では「画像下治療」とされ、外科的手術を行わずに可能な限り侵襲性を少なくし、様々な角度からX線透視を行い、病変組織の採取(生検)や治療を行う手技の総称です。当院ではIVR専門医認定を有している医師が常勤しており、脳神経外科が主に脳血管の診断や治療、放射線科が主に胸腹部の診断や血管内治療を行っており、循環器内科が心臓の冠動脈と呼ばれる血管の診断・治療、不整脈に対する経皮的心筋焼灼術(アブレーション治療)を行っています。

 また、手術室に外科用イメージ装置を有しており、手術室内で行わなければならない血管内治療を行う際などに、様々な角度からX線透視画像を術者に提供し、手術のサポートを行っております。

 救急センターでは一般撮影装置・CT装置・心臓カテーテル装置を有しており、状況に応じて救急車から直接検査台に移乗していただくなど、迅速な対応ができるようにしております。

 当院では線量管理ソフトを導入し、患者様毎の被ばく線量を記録、管理しており、最適化を図っています。

MR・核医学部門

 MR・核医学部門は、核磁気共鳴現象を画像化するMR検査と、放射性医薬品を用いた検査及び治療を実施しています。MRは核磁気共鳴現象を利用して、生体内の情報を画像化します。特に脳神経外科、整形外科及び婦人科領域等軟部組織の変化に有用であり、ほぼ全身の撮像を行っています。また、造影剤を使用しないで、血流の情報が得られることも利点の一つです。

 PET/CT検査は、PETの機能画像(糖代謝)とCTの形態画像を重ねる検査です。あらかじめ、ブドウ糖に弱い放射能を出す成分で標識した薬剤を注射して、約1時間後に撮影を行います、糖代謝の盛んな腫瘍の画像描出に優れています。近年、放射性医薬品を用いたRI治療が行われるようになり、必要な研修の受講など準備を万全にして行っています。

放射線治療部門

 放射線治療部門では、診療放射線技師8名、専従医学物理士2名、がん放射線療法看護認定看護師3名と放射線腫瘍医とのチーム医療を実践し、安全で安心できる質の高い医療技術の提供を行っています。 治療機器は、リニアック2台および腔内照射装置(RALS)1台を有しています。リニアック1室には、多発転移性脳腫瘍を効率的に治療するための脳定位照射システム、リニアック2室には、呼吸性移動に対応した金マーカによる動体追尾照射システムが付属されています。また、高度な医療技術の提供に必要な各種認定資格は、積極的に取得できるよう取り組みを行っており、質の高い放射線治療業務に対応できる人材育成を目指しています。

詳しくは「放射線治療センターホームページ」へ 

業務実績

一般撮影部門

 単純検査ポータブル撮影マンモグラフィ骨密度測定X線TV透視泌尿器歯科口腔
令和元年度51,81710,5431,6775311,970466828
令和2年度41,9628,9451,4245901,651252819
令和3年度43,0689,4331,5325861,700140867
令和4年度44,00410,4361,5226471,4522701,089

CT/Angio /MRI部門

 既存心カテCCU心カテ血管撮影CT検査MRI(1.5T)MRI(3T)
令和元年度65526545723,4513,1753,326
令和2年度54915640520,3303,0942,446
令和3年度50619138322,4073,4343,821
令和4年度42731739122,7803,3922,673

核医学/放射線治療部門

 RIPETリニアック1リニアック2RALSCTシュミレータIMRT
令和元年度7142,7645,6116,1391328825,184
令和2年度6302,4295,1564,8171297384,391
令和3年度7112,5954,7024,7871508334,122
令和4年度8032,4204,6204,5051297714,285