1.臨床検査技術科について
ごあいさつ
「信頼される臨床検査技術科」を理念として掲げ、従来の分野単位の人員配置を廃止し、分野・部門に拘らない業務遂行形式のグループ別機能的検査室を構築し、副科長を中心とした組織の充実を図っています。令和3年度にはISO15189の認証を取得し、令和5年度には定期サーベイランスを終えました。
専門性を必要とされる各検査分野においては、臨床検査医と共に教育指導体制を強化させ、スペシャリストの育成による業務体制の構築の充実を図り、生理機能検査、病理検査、細菌検査、遺伝子検査等の教育・育成に時間を要する業務に関しては、グループの枠を超えた兼務体制も構築しています。兎角分野意識が強いことにより、狭い視野でしか検査を捉えられなくなる弊害をなくし、検査を広い視野から見渡し、検査項目間の関連性を認識する必要が求められており、その中で自分が求めるものを見いだし、自分からアクションを起こし、専門性を高めていくことが必須で、モチベーションアップに繋げて行きたいと考えます。
基本方針
- 高精度臨床検査の提供と妥当性の評価に努めます。
- スタッフ間の相互責任と信頼度を高め連携強化に努めます。
- 個人情報保護を遵守し、情報の共有化により医療事故防止と安心、安全な検査に努めます。
- 業務の効率化により迅速化と経費削減に努めます。
- 救急及び災害に強い臨床検査体制の構築に努めます。
- 医療進歩に対応可能な専門的知識と技術の習得とグローバルな人材の育成に努めます。
- 院内各部署とのコミュニケーション強化を図り積極的にチームワーク医療の向上に努めます。
目標
- 精度の高い臨床検査の維持、検証及び実証による臨床検査データを提供します。
- スタッフ相互の立場を理解し、思いやりと考え方を尊重します。
- 個人情報保護遵守の基に、患者さんの立場と権利を尊重し、安心かつ安全な臨床検査を行います。
- 作業環境整備として整理整頓とスタッフ間の挨拶と言葉かけを励行します。
- スタッフ間の検査情報伝達と連絡を密に行い、医療過誤の防止に繋げます。
- 検査業務における協力、協調、協和、協働により業務の効率化を図ります。
- 随時診療材料の見直しを行い、医療資源の有効活用により経費削減に寄与します。
- 夜間休日2名体制により増加する救急検査の迅速化と輸血関連検査の安全性を確保し、災害時にも強い検査体制を構築します。
- 積極的な研修会、講習会の参加と伝達講習や日々進歩する専門的な検査技術、知識を習得し、自己研鑽を図るとともに学会発表、論文投稿を積極的に行います。
- 専門的な検査技術、知識を持つだけではなく、一般教養、見識を持ち合わせ、既成概念や常識にとらわれない創造的発想や活動により、グローバルな視点を持つ臨床検査技師の育成を目指します。
- チーム医療の中で臨床検査の担い手として臨床検査情報の提供と管理に努め、責任を果たします。
公平性の確保と個人情報保護に関する臨床検査技術科の方針
臨床検査技術科は、臨床検査の公平性を損なう恐れのある如何なる活動にも関与しません。そのために、いかなる外的な圧力に対して公平性と中立性を損なわず、国内の関連法規及びISO 15189の規格を遵守し、また、特定の患者さん及び利用者に対しても便宜を図ることは行いません。
臨床検査技術科は、当院の個人情報保護に関する基本方針に準じて、患者さんの個人情報の取扱いには細心の注意を払い検査業務で知り得た個人情報を保護します。
2.組織体制
3.部門内署、グループの紹介 部門内署、グループの紹介
- 準備中
4.資格・認定等
各部門の取得資格等
博士号所得者1名、修士号取得者3名
検査部門 | 専門資格名 | 保有者 |
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検体検査 | 1)細胞検査士 2)国際細胞検査士 3)二級臨床検査士(病理学) 4)一般毒劇物取扱者 5)日本睡眠学会認定検査技師 6)認定病理検査技師 7)特定化学物質作業主任者 8)有機溶剤作業主任者 | 1)新発田 雅晴 2)新発田 雅晴 3)新発田 雅晴、相澤 美保 4)新発田 雅晴 5)大内 恵理子 6)相澤 美保 7)相澤 美保 8)相澤 美保 |
輸血検査 | 1)認定輸血検査技師 2)二級臨床検査士(免疫血清学) | 1)外山 真彦 2)廣木 輝雄 |
微生物検査 | 二級臨床検査士(微生物) | 磯田達也 |
病理・細胞診検査 | 1)細胞検査士 2)国際細胞検査士 3)認定病理検査技師 4)二級臨床検査士(病理学) 5)一般毒物劇物取扱者 6)特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者 7)有機溶剤作業主任者 | 1)阿部 香織、古村 祐紀、安田 真大、小井戸 綾子、藤沼 廉、堀 直美、小林 千愛奈 2)阿部 香織、古村 祐紀、安田 真大、小井戸 綾子 3)阿部 香織、古村 祐紀、安田 真大、小井戸 綾子 4)阿部 香織、古村 祐紀、安田 真大、小井戸 綾子、堀野 史織 5)安田 真大 6)古村 祐紀、安田 真大 7)安田 真大 |
遺伝子検査 | 1)認定遺伝子染色体検査師 2)遺伝子分析科学認定士 3)遺伝子病理検査・診断研究会世話人 | 1)小井戸 綾子 2)小井戸 綾子 3)阿部 香織 |
生理機能検査 | 1)超音波検査士(循環器領域) 2)超音波検査士(消化器領域) 3)超音波検査士(血管) 4)超音波検査士(健診領域) 5)血管診療技師 | 1)橋本 多恵、横田 知加子、蛯名 琴音、永山 明子 2)鈴木 洋志、長須 健悟、横田 知加子、飛田 紗也加、永山 明子 3)横田 知加子 4)長須 健悟 5)横田 知加子 |
その他 | 1)医療安全管理者 2)精度管理責任者 3)栄養士 | 1)阿部 香織 2)阿部 香織、外山 真彦 3)堀 直美 |
5.所属学会・研究会
所属学会(人数) | |
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検体検査 | 日本検査血液学会(2)、日本臨床化学会(1)、日本臨床細胞学会(1)、日本神経病理学会(1)、日本感性工学会(1)、日本超音波検査学会(1) |
輸血 | 日本輸血細胞治療学会(2) |
感染制御 | 日本臨床微生物学会(2) |
生理機能 | 日本超音波医学会(2)、日本超音波検査学会(8)、日本心エコー学会(1) |
病理・遺伝子 | 日本臨床細胞学会(7)、日本病理学会(1)、日本癌学会(1)、日本染色体遺伝子検査学会(1)、遺伝子病理・検査診断研究会(4) |
6.実績(令和5年度)
- 外部精度管理
日本医師会、茨城県臨床検査技師会、日本臨床衛生検査技師会、日本病理精度保証機構、遺伝子病理・検査診断研究会 - 院内活動・業務支援
臨床試験管理(治験・臨床試験)、NST、糖尿病教室、院内感染対策、日帰り及び脳ドック、外来採血、がんゲノム外来 - 院内事務局
輸血療法管理委員会、臨床検査委員会
院内検査件数推移
年度 | 検体(夜間休日) | 細菌 | 病理 | 生理 | 遺伝子 | 総件数 |
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令和元年度 | 2,313,249 (418,267) | 44,164 | 29,233 | 54,243 | 638 | 2,441,527 |
令和2年度 | 1,967,480 (326,902) | 34,923 | 16,622 | 35,586 | 9,399 | 2,064,010 |
令和3年度 | 2,054,456 (396,329) | 34,723 | 17,944 | 42,723 | 16,239 | 2,166,085 |
令和4年度 | 2,129,496 (396,219) | 38,192 | 14,791 | 41,097 | 19,296 | 2,242,872 |
令和5年度 | 2,177,321 (396,409) | 42,464 | 14,654 | 40,653 | 8,824 | 2,283,916 |
7.業績
2022年第60回 全国自治体病院学会において発表しました臨床検査技術科の演題が最優秀演題に選ばれ、2023年第61回全国自治体病院学会in北海道にて表彰されました。
演題名:病理検体取り違え時の検体識別の手法~臨床検査でできること~
発表者:阿部 香織、小井戸 彩子、飯嶋 達生他