病理・遺伝子グループ

病理組織検査、細胞診検査、遺伝子検査を行っているグループです。 3名の病理医とともに、臨床検査技師名、検査助手1名で協力し、患者さんから採られた検査材料から、どんな病気か診断する検査をしています。また、様々な材料から核酸(DNA、RNA)を用い遺伝子検査も行っています。

学会発表も盛んに行っており、毎年1人1演題以上を目標とし、学会発表や研修会の講師、座長を行っています。論文投稿も原著、共著が多くあります。

病理組織検査

〇 取得資格:認定病理検査技師(4名)、二級臨床検査士(病理学)(5名)、毒劇物取扱主任者(1名)

手術や内視鏡で採られた臓器やその一部から、どのような病気かを診断する検査です。治療をするためには病理診断をしなければならないため、非常に重要な検査です。診断をするのは病理専門医ですが、臨床検査技師は診断するための標本を作製しています。他の臨床検査に比べ、細かい作業や職人的な技術を要する検査です。また、手術中に手術方針を決定するために、凍結した臓器を用いて30分程度で病理診断を行う術中迅速病理診断も行っています。

細胞診検査

〇 取得資格:細胞検査士(4名)、国際細胞検査士(4名)

液状検体(尿、腹水、胸水など)や患部から擦りとった検体(子宮頸部、気管支など)、直接病変に針を刺して吸引した検体などから得られた細胞を顕微鏡的に観察し、癌細胞の有無や、感染症などの判定をする検査です。細胞検査士という資格を有する臨床検査技師が検査を行っています。部位によっては細胞診でしか診断が下せないものもあり、病理組織検査とともに、患者さんの治療方針の決定に欠かせない検査です。また、病理医と細胞検査士との間で症例検討を行い、質の高い診断を目指しています。臨床とのカンファレンスにより、情報交換も積極的に行っています。新たな取り組みとして、2015年1月より、内視鏡室へ出張迅速細胞診を行っています。ROSE(rapid on-site cytologic evaluation)と呼ばれているもので、超音波内視鏡下に検体を採取し、目的とする細胞が採取されているかその場で判断しています。それにより、正診率の向上などに寄与しています。

遺伝子検査

〇 取得資格:認定臨床染色体遺伝子検査技師(1名)、遺伝子分析化学認定士(1名)

遺伝子検査は、主に生涯変わらない遺伝情報を調べる検査と、何らかの理由で遺伝子に生じた変化を検出する検査に分けられます。当院では主に造血器腫瘍(血液のがん)や肺癌を対象とした検査と新型コロナウイルスの検査を実施しています。

がんの遺伝子検査は、その結果によって病気の細かい分類や薬の効き具合を調べることが出来ます。一般的に、院内で遺伝子検査を行っている病院は茨城県内でもごく少数です。

新型コロナウイルスをはじめとしたウイルスを検出する遺伝子検査では、感染の有無を調べることができます。

PCRとは

PCRとはポリメラーゼ チェーン リアクションの略で、DNAの性質を利用し、目的の遺伝子を増幅する技術を言います。DNAは元々微量であり、そのままでは検出できません。そのため、PCRを用いて、数百万倍以上に増やして検出しています。

PCR
新型コロナウイルスPCR検査について

遺伝子は目に見えないため、コンタミネーション(ほかのものが混ざること)を防ぐため試薬の調整はクリーンベンチを使用しています。
また、試薬の劣化が直接結果に影響を与えるため、冷やしながら検査を進めたりすます。