診療科
病院長直轄部門
診療センター・部
診療支援部門
研究・研修支援部門
診療チーム
医師名 | 専門領域 | 所属学会・専門医等 |
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副病院長、センター長、災害対策部長、 秋島 信二 (あきしま しんじ) |
○心臓血管外科 |
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整形外科部長 新堀 浩志 (しんぼり ひろし)
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○手外科 ○末梢神経 ○四肢機能再建外科 ○脊椎外科 ○四肢外傷外科 |
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救急科部長(高度救急担当) 関根 良介 (せきね りょうすけ)
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○救急医療 |
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総合診療科医員 境 達郎 (さかい たつろう) |
○総合診療 |
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救急科 渡邊 達也 (わたなべ たつや) |
○救急医療 | |
(非常勤医師) 宮 顕 (みや けん) |
○救急医療 |
救急センターには、3つの初療室、6つの診察室をはじめ、CT、一般X線撮影装置、内視鏡装置等を備え、ICU6床、救急一般病床8床が稼動しており、併設するヘリポートを使ってドクターヘリによる搬送も受け入れております。
「救急患者さんのための最後の砦」になるべく、救急車の受入およびウォークインによる救急患者さんを、平日日中は救急科医師が各科の当番医の協力を得て、休日及び夜間は7名の当直医に加え、必要時は各科のオンコール医により診療しております。
また、平成26年からはドクターカーの運用を開始し、近隣消防本部からの要請に応じて、重症外傷や心肺停止例など一刻も早い医師の接触が望まれる症例や、多数の傷病者発生事例など現場での医療チームの活動が望まれる事例に対して出動しております。
救急科専門医指定施設
平成24年4月から、受診された患者さんの症状を、まず看護師がお聞きして、基準に従って救急度を判断し、緊急度の高い順に診療を行う院内トリアージを実施して、より効率的な運用を行なっております。このため、診察する順序は来院された順序と異なることがありますが、ご了承願います。
なお、小児科救急の受付は、当面の間、平日の正午より午後5時までとさせていただいています。また、婦人科救急も受け入れておりますが、産科救急に関しましては現在体制を整備中です。
ドクターカーは近隣消防本部・救急隊の要請に基づいて出動しております。医療機関や患者さんからの直接の要請には応じることができません。
御理解と御協力をお願いいたします。
平成31年(令和元年)度に救急センターで治療した患者数は12,639人(平成30年度に比し4.4%減)、うち救急搬送患者数は4,378人(同9.9%減)(ドクターヘリ・防災ヘリによる搬送患者17人を含む)で、患者総数は減少し、救急搬送患者数は救急センター棟設計時の想定数5,000人をやや下回る数字で推移しています(図1、2、3)。重症度別の内訳は、1次(軽症):8,574人(69.3%)、2次(中等症):3,357人(26.6%)、3次(重症、死亡例を含む):528人(4.2%)で、心肺停止患者は103人を数えました。重症救急患者が重なった場合などはやむなく断ることもありましたが、茨城県救急医療情報システムによる統計では、当院の不応需事例は289件(平成30年度に比し50件増)で、応需率(救急搬送患者受入数/受入要請数)は93.2%(同1.7ポイント減)でした。夜間・休日に不応需となった事例はすべて、看護部を中心に応需できなかった理由や最終搬送先を調査し、その結果を救急センター運営委員会で検証しております。
補足になりますが、県内の救急医療体制が徐々に進んでいること、一例として県西地区の茨城県西部メディカルセンター、桜川医療センターがいずれも開設され、救急受け入れを始めたことなどが、今年度当院での救急診療数の減少の一因と考えております。前述のごとく、無条件に救急要請を受け入ることは医療の質や医療安全などの面からも、患者・医療側にとってともに必ずしも適切ではないことがあり、この点は冷静な振り返りが必要と考えます。また、令和2年が明けてからは未曾有の感染症である新型コロナの影響で、救急診療に限らず病院全体の診療が大きな影響を受け、現時点でもまだそのピークを迎えていません。さらに、平成31年度は、働き方改革が政府を上げて推進され始めた年でもあります。人の生命に直面する激務の中、どのようにその改革に沿うかは今後の大きな課題でもあります。
以上の環境の下でも、平日日勤帯は非常勤医も含めて救急科医師2名を配置し、救急隊からのホットラインと院内用ホットラインを持って救急診療に当たるとともに、ドクターカーの人員を確保しておりました。これに加え、各科の救急当番および初期研修医の救急当番2名によって、休日・夜間は外科系(HCU当直)、内科、産婦人科の3人の日・当直医、2名の初期研修医、必要時にはICU、CCU日・当直医、各科オンコール医により救急患者の診療を進めて参りました。そして、これらの診療に際しては、救急外来に特化したトレーニングを受け資格を有するスタッフを含めた専従看護師チーム、また、これに加え平成28年4月からは救急救命士を採用し、救急センター内の業務補助およびドクターカー出動時には病院前救護活動を担っており、いずれも救急診療には不可欠なすべてのスタッフが一丸となり、範となるチーム医療を実践しております。
図1:救急患者数の年次推移
図2:月別救急患者数
図3:月別救急搬送患者数
平成26年3月より開始したドクターカー事業は、平成27年12月からは、専用のラピッドカーを購入して、これにより出動しております。心肺停止、ショック、高エネルギー外傷、胸痛、意識障害、重症喘息、窒息、中毒などの他、傷病者の救出に時間を要する事例や多数傷病者発生事案に対して、いばらき総合司令センターや近隣消防本部からの要請で出動しております。多数傷病者発生事案では、現場での初期治療に加え、医学的見地から傷病者の搬送先や搬送順序の決定に関与しております。従来からの笠間市に加え、平成29年3月には石岡市、小美玉市、10月には筑西広域市町村圏事務組合(筑西市、結城市、桜川市)、平成30年3月には常陸大宮市の各消防本部と協定を締結し、活動地域を拡大しております(図4)。
毎月、当院職員に加え、いばらき消防司令センター職員、各消防本部職員、運転業務を担当する暁興産職員にも参加してもらってドクターカー小委員会を開催して事例の検証を行い、問題点の解決を図っております。
平成31年度(令和元年度)は要請件数470件(平成30年に比し19件増)に対して393件(同2件増)出動し(出動途中のキャンセルを含む)、266件(同8件増)の現場活動(トリアージ:死亡確認9件含む)を行っております。
図4:協定によるドクターカー活動範囲(令和2年3月現在)
笠間市・石岡市・小美玉市・筑西市・結城市・桜川市・常陸大宮市
ドクターカーチームとドクターカー
作業部会を3回開催し、4件(平成30年と同件)の虐待事例(疑いを含む)に対処しました。内容(重複を含む)は、DV (パートナーからの暴力)3件、高齢者虐待1件で、対処法(重複を含む)は、関係機関への通報・通告2件、援助・助言3件、非介入1件などでした。また、引き続き、産科においては助産師を中心として、社会的ハイリスク妊産婦(低所得、シングルマザーなど)に対し、妊娠初期から関係機関と連携して支援する体制を構築し、全出産例を対象に産後2週間検診を実施して、新生児虐待の防止に努めています。
CPR 講習会を12回開催し、190名が参加しました。急変対応勉強会は2回開催し、各部署で実際にあった症例に類似したシミュレーションを実施しました。
ウォークインで来院した全ての患者さんを対象にJTAS を基本としたトリアージを実施して緊急度を判定し、時宜を逸しない救急医療の提供に努めています。また、月一回作業部会を開催し、主にアンダートリアージが疑われる事例の検証にを行って、適切なトリアージの実施に向け活動しております。
救急救命士の病院実習を積極的に引き受け、救急救命士課程の学生実習2 名、就業前実習2名、就業中再教育研修延べ42 名を行いました。また、水戸地区救急医療協議会などの事後検証会に関、関根らを派遣し、さらに、近隣の消防本部の救急隊員との勉強会である救急クラブを2回開催しました。これらの活動を通じて、救急救命士による病院前救護能力の向上をはかるとともに、近隣の消防本部との緊密な連携を構築しております。