病院について
茨城県立中央病院
茨城県地域がんセンター
病院長 島居 徹(しまずい とおる)
茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンターの病院長に就任と同時に未曾有の新型コロナウイルス感染症の拡大があり、感染症診療、感染対策におわれ通常診療も大きな打撃を受けた2年間が過ぎました。2022年4月現在、第6波が遷延しており、いまだ収束が見通せない状況にて、本感染症との戦いは続くものと思われます。
当院は県立唯一の総合病院であり、理念として「患者さんに優しい、質の高い、県民に信頼される医療を提供する」ことを掲げ、県民の生命と健康を守る高度医療を提供すべく努力してまいりました。また若手医師、コメディカルなどの教育とキャリア支援を通して茨城県の医師不足解消に貢献することも当院の重要な使命です。
現在、当院の診療は、新型コロナウイルス感染症診療、がん診療、救急医療、地域医療への支援、周産期医療、その他の政策医療などの提供があります。
以上、県民の期待に沿う医療、死角のない医療を推進しております。
さて、茨城県は医学生を輩出する医科大学が一校のみという県で、当院は医学教育へも積極的に取り組んでいます。2011年の筑波大学寄付講座設置(茨城県地域臨床教育センター)は大きな転換期で、教育意識と院内研修システムの改革が進み、県内有数の臨床研修病院に位置づけられるようになりました。将来の医療人材である医学生の実習も年間100週以上 (2021年は時期により一部休止) 受け入れており、大学附属病院以外ではトップクラスの卒前医学教育を実施しています。これら医学教育には患者さんとご家族のご協力が不可欠ですので、ぜひご理解を賜りますようお願い致します。
当院では医療の質と職員環境・病院経営の健全化の両立を目指しており、職員の過重労働回避に取り組んでおります。これまで日本の医療は医師の個人的努力に成り立っている状況が少なからずありましたが、2024年に本格稼働する医師の働き方改革の準備として適切な勤怠管理と医師の過重労働の是正に取り組んでおります。病院職員(医師、看護師、薬剤師、技師、事務など)の時間外労働の適正化により心身の健康を維持することが、結果的に安全安心な医療の提供、経費節減と病院経営改善をもたらすと考えています。
最後に、当院は本館が1988年(築34年)に、がんセンター棟が1995年(築27年)に建設されており、近年、狭隘化と機能の老朽に直面しております。特に病棟、外来棟、手術室の狭隘に対する新増築あるいは改築は、前述した高度専門的医療を維持、向上させるための喫緊の課題です。地域医療構想における当院の役割を整理し、関係機関と連携しながら、このことを計画的に整備していく所存ですので、皆様のご理解ご支援をお願い申し上げます。
2022年4月1日