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病院長ご挨拶

 

 茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンターの新病院長として2020年4月1日付で着任いたしました。私は昨年度まで当院に設置されている筑波大学寄付講座・茨城県地域臨床教育センターの部長として当院の診療、医学教育、臨床研究に携わってまいりましたが、この4月より新たな体制で県立中央病院一丸となって活動してまいる所存ですので、よろしくお願い致します。(なお2020年4月現在、新型コロナウィルスの感染拡大でさまざまなご心配やご不安、活動の制限がある状況ですが、新型コロナウィルス感染症に関する病院の対応情報はトップページ「重要なお知らせ」に更新申し上げます。)

 当院は県立唯一の総合病院であり、患者さんに優しい、質の高い、県民に信頼される医療を提供することを理念として、県民の生命と健康を守る高度医療を提供すべく努力してまいりました。同時に当院の重要な機能として、若手医師、コメディカルなどの教育とキャリア支援を通して茨城県の医師不足解消に貢献することが求められていると考えておりますので、これらの概略をご紹介したいと思います。

 

 現在、当院の診療における一般診療以外の重要な機能として、1.がん診療、2.救急医療、3.地域医療への支援、4.周産期医療の提供があります。

  1. がん診療では、当院は2008年に国から都道府県がん診療連携拠点病院の認定を受けており、以後、茨城県がん診療の基幹病院として活動しています。全国がんセンター協議会加盟施設(全国32のがんセンター)でもあり、外科治療、抗癌薬物治療、放射線治療、緩和医療などのすべての分野において患者さん中心のがん高度専門医療を提供しております。最近話題の「がんゲノム医療」についても、がんゲノム医療連携拠点病院として、がんゲノム医療の提供が可能な県内3施設のひとつとして活動しています。
  2. 当院では職員の一致協力のもと救急医療にも積極的に取り組んでいます。2018年度に救急センターで治療した患者数、救急搬送数は各々13,217名、4,874名で二次救急医療施設としては非常に高い応需数でした。ただこれは医師の過重労働の基に成り立っているという側面があり、後述する、「いわゆる働き方改革」の一環として今後は県内の救急体制の整備状況、医師の労働時間、地域医療施設との連携のもと、バランスされた救急医療を担ってまいる所存です。
  3. 地域医療支援の観点からも地域の医療機関との連携を深めており、医科だけでなく歯科連携も進めてまいりました。へき地医療拠点病院として県北へき地などにも医師を派遣しておりますが、2019年度はさらに看護師派遣も開始しており、総合的な医療支援を行っています。その他、地域災害拠点病院、原子力災害拠点病院、難病医療拠点病院、エイズ治療拠点病院などの拠点病院として、また第二種感染症指定医療機関(結核)、精神科患者身体合併症事業受入病院、助産施設、母体保護法に基づく医療機関、茨城県DMAT指定医療機関としての役割も果たしています。
  4. 2015年に再開した産科診療は、分娩数も徐々に増加し、2019年度は200件を超えました。合併症のある方や里帰り分娩の受け入れも行っており、異常妊娠である異所性妊娠(子宮外妊娠)、流産、絨毛性疾患数は県内トップクラスです。今後も産科と新生児の専門医を中心として、信頼される周産期医療を進めてまいります。

 このように、ほぼ全ての診療科において県民の期待に沿える医療、死角のない医療を推進しております。

 

 医学教育については、茨城県は医学生を輩出する医科大学が一校のみという数少ない県であり、茨城県の医療の充実、向上のため当院は医学教育への意識改革にも努めてまいりました。2011年の筑波大学寄付講座設置は大きな転換期であり、以後、院内臨床研修システムの改革、指導医の確保、多数の初期研修医の獲得につながり、現在、県内有数の臨床研修病院に位置づけられるようになりました。将来の医療人の資源である医学生の実習も年間100週以上受け入れており、大学附属病院を除けばトップクラスの卒前教育を実施しております。これら医学教育には患者さんとご家族のご理解が不可欠ですので、ぜひご理解を賜りますと幸いです。

 

 上記の筑波大学寄付講座は、茨城県地域臨床教育センターとして、高度専門診療の技能を有する筑波大学教員(教授、准教授、講師)が14診療科15名の体制で勤務しており、大学附属病院相当の高度医療、医学教育を展開しております。特に内科専門診療、低侵襲手術(ロボット手術を含む)、周産期医療、精神科合併症への対応、ゲノム医療の提供、医学生・研修医の教育などに多大な貢献を果たしており、今後も当院の特徴のひとつとして、教育のプロフェッショナルとの協力体制を進めてまいります。医師の充足は病院の活性化に必須であり、若い医療人材の教育を通して茨城県の医療の改革と向上に務めてまいる所存です。

 

 さて以前の日本の医療は医師の個人的努力に成り立っている状況が少なからずありましたが、当院では、医療の質向上とともに職員環境と病院経営の健全化の両立も目指しており、職員の過重労働回避に先進的取り組みを始めています。病院における時間外労働を減らす理由は、病院を支える職員(医師、看護師、薬剤師、技師、事務など)の心身の健康に留意することが、結果的に安全安心な医療を提供し経費節減と病院経営改善をもたらすと考えているからです。この点でも、患者さんとそのご家族のご理解を賜りたいとお願いする次第です。

 

 最後に、当院は本館が1988年(築32年)に、がんセンター棟が1995年(築25年)に建設されており、近年老朽化と狭隘化に直面しております。特に病棟、外来棟、手術室の狭隘化は前述した高度専門的病院機能を維持、向上させるには障壁となる喫緊の課題です。このことにも計画的に対応し、さらに高いレベルの医療の提供を目指してまいる所存ですので、診療に関する疑問や不安、あるいは将来計画についてのご提言がございましたら、是非、病院長または総務課あてにお寄せくださいますようお願い申し上げます。

 

2020年4月

茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター

病院長 島居 徹(しまずい とおる)

 

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